永続敗戦論 ④
第3章、第2節は「何が勝利してきたのか」というタイトルであり、主として「国体」について論じている。
戦前の「国体」について。
*犠牲を強いるシステムである。
*一切の革新を拒否する。
河原宏の戦争終結に対する見方。
*戦争終結の決断の本質を「革命より敗戦がまし」という選択としてとらえている。
*日本人が国民的に体験しそこなったのは、各人が自らの命をかけても護るべきものを見いだし、そのために戦うと自主的に決めること、同様に個人が自己の命をかけても戦わないと自主的に決意することの意味を体験することだった。(中略)近衛らが「革命よりも敗戦がまし」という形で、なんとしても避けようとした「革命」とは、究極のところ各人が自主的決意と判断によって行動するに至る状況のことだったのではないか。
それでは、何が勝利してきたのか。
*国体とは自主的決意による革新・革命の絶対的否定を意味するものである以上、国体護持を実現したかたちでの敗戦は、敗北という外見に反して、その実、革命に対する華々しい勝利にほかならなかった。
昨今の暗澹たる状況に対して、著者はガンジーの言葉をあとがきに引く。
「あなたがすることのほとんどは無意味であるが、それでもしなくてはならない。そうしたことをするのは、世界を変えるためではなく。世界によって自分が変えられないようにするためである。」
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