カテゴリー「宇宙・生命」の10件の記事

2013/04/19

マンガで学ぶ 生命倫理

70 児玉聡さんのこの本は、大切な問題を取り上げ、丁寧に説明されてあり、よくできている。
 10のテーマは、どれも現在、重要な課題となっているものである。
 ①生殖医療 ②がん告知とインフォームド・コンセント ③中絶と胎児の権利 ④能力・肉体の改造(エンハンスメント) ⑤終末期医療と安楽死 ⑥生体臓器移植 ⑦クローン技術 ⑧ES細胞とiPS細胞 ⑨寿命と永遠の命 ⑩脳死と臓器移植
 印象に残ったところ。
*緩和医療(緩和ケア、ホスピスケア)においては、病気による痛みを取ることで残りの期間を穏やかに過ごすことができるようにする。
*クローン個体と元の個体は、「年齢の違う一卵性双生児」であり、たとえ死んだ子どものクローンをつくったとしても、それは同一人物を蘇えらせたことにはならない。
*iPS細胞とは、ES細胞と同等な多能性を持つとされる幹細胞である。ES細胞は受精卵から、iPS細胞は体細胞から、人工的につくられたものである。
*2010年7月から施行された「改正臓器移植法」は、15歳未満の未成年者も含め、年齢にかかわらず本人の事前の拒否がないときには、家族の承諾で臓器移植を可能とした。
*「生命倫理学」とは、ライフサイエンス(生命科学)と医療の道徳的諸側面の体系的研究であり、学際的環境においてさまざまな倫理学的方法論を用いるものである。
*生命倫理は、臨床倫理(病院で起きる倫理的問題)、研究倫理(研究で生じる倫理的問題)、公共政策(生命倫理に関する法や制度の問題)の3つの分野に分けている。

 ところで、マンガの方のストーリーは、幼なじみの男子高校生が事故で亡くなるという、ショッキングなものである。(ネタバレ?) それゆえ、強い印象を残す。

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2013/02/06

宇宙は本当にひとつなのか

19 分かりやすい説明で評判の村山斉さんの最新宇宙論入門書である。(講談社 BLUE BACKS)
 宇宙の全体を調べてみると、原子からできている目に見える普通の物質は5%にも満たない。残りの約96%は正体不明の暗黒物質(23%)と暗黒エネルギー(73%)だという。
 宇宙は多次元で、いくつもの宇宙が存在するとしたら……。
 いやはや、さらに大きな謎に包まれた感じで、目が眩む。


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2010/12/14

宇宙は何でできているのか

Imagenh 「宇宙は何でできているのか」といった問いは、科学の問題である。
 「宇宙はなぜ存在しているのか」とか、「宇宙の中になぜ私は存在しているのか」といった問いは、哲学の問題である。
 東京大学数物連携宇宙研究機構(IPMU)の初代機構長、村山斉さんのこの本は科学の本である。
 極小の世界=素粒子から極大の世界=宇宙の謎に迫っていく。まさに「ウロボロスの蛇」を想像させる。蛇の尻尾がわかれば、蛇の頭もわかるといった関係である。
*宇宙のエネルギーの内、星、ニュートリノ、原子が占める割合は約4%くらいしかない。あとは、暗黒物質約23%、暗黒エネルギー約73%である。
*つい最近になって、宇宙の膨張が「加速」していることがわかった。
*素粒子の「標準模型」は20世紀の物理学の金字塔である。
*物質間で働く4つの力は、「重力」「電磁気力」「強い力」「弱い力」である。
*4つの力を統一的に説明する、大統一理論は未だ成立していない。「ひも理論」が大統一理論に相当するか?

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2010/08/27

マンガでわかる「超ひも理論」

7ns_32083991 現代物理学の基礎は、相対性理論と量子力学である。
 この2つを総合化する理論として、超ひも理論が注目されている。
 すべてのものはひもでできている。10の-36乗メートルという極小の輪ゴムのような閉じたひもでできている。このひもの振動のしかたによって異なる粒子になると、超ひも理論は説明する。
 この超ひも理論でミクロとマクロの世界を統一的に説明できる。すっきりしそうな気もする。
 しかし、私の印象はまだこの理論は途上である。あまりきれいでないし、たくさんの説が入り乱れている。その先端性が面白い人には面白いと思うが、素人には分かりにくい。

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2009/08/14

知的な驚き

B049fba482541fda 小中学生の頃、新しい教科書にわくわくした。今まで知らなかったことに出会えるという知的興奮である。
 今でも、新しい本を読み始める前には期待感がある。
 しかし、大人になった今、これから本当に知的に興奮することとは何だろうか。
 相対性理論や量子力学、これらの現代物理学を本当に乗り越えられる理論が出てきたら、これはさすがに驚くだろう。
 突飛な感じがするかもしれないが、人類以上の高度の文明を持った生物との出会いは驚きだろう。多分、地球以外の生物だろうから、宇宙人との出会いと言っていいだろう。
 私が生きている間にこのことが起きたら、すごいことだ。これは私が何歳になっていても、びっくりすることだろう。
 ただ、これも私を含む人類の認識内、すなわち存在の中のできごとである。
 なぜ、この世界はあるのであって、ないのではないのか、という存在していることそのものへの驚きと神秘は段違いのことだ。このことは日々驚いている。

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2007/12/29

生物と無生物のあいだ

31891314 福岡伸一氏のベストセラーである。(講談社現代新書)
 生命とは「自己複製を行うシステム」というのは遺伝子の解明が進んだ現代生命科学の一つの答えである。
 しかし、それだけでは言い尽くせない。生命とは「動的な平衡状態」であるといったことを言いたいのがこの本である。
 生命は「時間」を抜きには語れない。これは示唆に富む。ハイデガーの「存在と時間」も思い出す。
 この本は研究者たちの光と影、苦労の研究史を綴る。著者の落胆も書いてある。そこらが読み物としての厚みと面白さを出している。

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2006/02/12

松井教授の東大駒場講義録

31631747 「松井教授の東大駒場講義録」松井孝典著(集英社新書)は副題「地球、生命、文明の普遍性を宇宙に探る」がテーマである。
 とにかくスケールの大きな話である。
 現代は地球の歴史の折り返しあたりだと言う。地球が誕生してから約50億年、そして後50億年ぐらいすると地球は消滅してしまうらしい。その前に約5億年くらいすると地球の生物圏は絶滅してしまうらしい。
 こういう話というのは、80年くらいしか生きない私にとってはどういう意味があるのだろうか。
 また、物理学、化学等は宇宙でも普遍性のある科学であるが、生物学はまだ地球だけを対象にしていると言う。そこで生命科学を宇宙全体においても普遍性のあるものにしていく、これをアストロバイオロジーと呼び、挑戦していこうとしている。
 さらに地球と同じような惑星を見つけようとしている研究もある。惑星というのは自ら光っていないわけだから、発見するのは難しいらしい。二十数年前までは太陽系と同様なものということで探していたがなかなか発見できないでいた。が、太陽系とは異質な形もありえるということがわかり、最近になって発見され出してきたそうだ。先入観念によって見方が狭まってしまう実例である。
 
 地球に住む人間や生物は全宇宙の中で、本当に特異で孤独な存在(生命)なのだろうか。
 

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2005/05/02

アインシュタインの宇宙遺産

31487482 「100歳になった相対性理論(アインシュタインの宇宙遺産)」(福江純著 講談社)を読んだ。
 今年は世界物理年である。今から100年前の1905年、アインシュタインは相対性理論のみならず、光電効果、ブラウン運動に関する論文も書き、「奇跡の年」と呼ばれた。今日の現代物理学を切り開いた年を記念しての世界物理年である。
 この本は相対性理論が誕生してから今日までの100年の展開を追っている。
 相対性理論によって、空間と時間が理論的に統合され、物質とエネルギーも統合された。さらにこれらの関係が光、重力によって統一的に捉えられるようになった。そこから、ブラックホール、ビッグバーン(宇宙誕生、宇宙膨張)が解明される。さらに、宇宙の果ての活動的天体であるクエーサー、宇宙誕生初期のインフレーション、それから宇宙の歴史も少しずつわかってきた。これからの課題としては相対性理論と量子力学との理論的統合だという話も出てきている。
 この100年間、アインシュタインのおかげで、実にスリリングな科学的宇宙理論の発展があった。
 哲学において、宇宙・世界というのは常に大きなテーマであった。科学的知見が哲学にも影響している。宇宙観は科学によって決して無味乾燥になったのではなく、より豊かになったと思う。

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2005/03/23

宇宙の歴史

bigbang1 宇宙は約150億年前にビッグバンによって誕生した。(そうするとすぐにビッグバンの前は何だったんだ?宇宙の外には何があるのだ?という疑問が湧くが)
 地球ができたのが約46億年前。地球に生物が誕生したのが約40億年前。それからすると、二足歩行する人類の祖先が生まれたのはつい最近の約500万年前くらい。現代人に繋がる新人(クロマニヨン人)が出てくるのが数万年くらい前である。人類史上、文字による記録が初めて出てくるのが5千年くらい前であり、日本の歴史はせいぜい2千年くらい前からである。
 これらを現代の科学が教えてくれるが、神話・宗教の説明(例えば聖書の創世記)とどう異なるのか。どれほど我々の心(特に情動面)に説得力があるのだろうか。
 また、この科学的な説明からすると、膨大な地球の歴史的事実があり、その事実から地球上から人類が消滅することもありうることが分かる。約6千5百年前に恐竜が滅亡したように。
 さらに、この巨大な歴史の先っぽに生きている「私」とは何なんだ?という気持ちになる。わずか7,80年生きる存在とは何なんだ。過去どの時代を生きた人間も歴史の先っぽにいたのだが。
 この宇宙、地球の大きな歴史を意識できてしまうちっぽけな人間の存在。有限な時間だから有意味だという、ハイデガーの言葉を噛みしめたい。(逆に言えば無限の時間は無意味だということである)

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2005/02/20

太陽

05-02-19_13-28 ある友人から太陽のカードをもらった。
 太陽はどんな国でも神話に登場する。信仰の対象にもなっている。この太陽の明るさ、暖かさから信仰対象になるのは素朴で自然である。我々生命の源であるとすんなりと感じられるのである。日本では国旗にもなっている。
 科学的にも説明されてきている。生命の誕生、その後の生命の維持のために太陽は欠かせない。
 そんなことを考えている時、三鷹駅周辺を歩いている際に、山本有三の碑に出会った。あまりに素直な言い方に感動した。
 「この世に生きているものはなんらかの意味において太陽に向かって手をのばしていないものはないと思います」(「生きとし生けるもの」山本有三)

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