カテゴリー「心理」の51件の記事

2017/10/13

「死ぬ瞬間」と死後の生 ③

823 心に止めておきたい言葉はたくさんある。
*「救う」と「助ける」:助けることこそ真に人間のすべきことではないでしょうか。
*救いの手を出さずに、相手が自分で学ぶのを優しく見守ることです。愛とは、いつ補助輪をつけてやったらいいか、いつ外したらいいかを知ることです。それが愛です。補助輪を外すのはつけるよりもはるかにむずかしいです。でも結局は外さなくてはならないのです。
*学ぶべきことはいずれにせよ何らかの形で学ばなければならないということ、そして、学ばなければならない理由はあなた自身にあるということです。

(以下はこの本の解説にあたるようなところの文章です。)
〇E・キューブラー・ロスは、死とその過程という問題から離れて、命と生きることの方へと重心を移しつつあり、そういう自分の心の経過をいっそう深く見つめようとしていた。
〇E・キューブラー・ロスの仕事を、医学の変革だと言う人もあれば、新たなかたちの宗教だと言う人もいますが、どちらにしても、彼女はいつまでもこの世界に光を投げかけつづけることでしょう。
〇本書の最初の講演は1976年、最後は88年だが、その間に、彼女の心境には大きな変化があったため、本書の前半と後半とではずいぶんトーンが異なる。彼女を変えたもの、それは神秘体験、とくに臨死体験である。したがって、前半では死に至る過程が、後半では死後の生が語られているといっていい。

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2017/10/12

「死ぬ瞬間」と死後の生 ②

822 キューブラー・ロスは、生、死、死後の生について語っていく。
*この光は、物理的エネルギーや心的エネルギーではなく、霊的エネルギーの源です。人間にはこの霊的エネルギーを使うことも操作することもできません。それは、マイナスの感情がひとかけらもない存在領域のエネルギーなのです。つまり、現世にいたときに私たちがどんなに悪く、どんなに大きな罪悪感を抱いていようと、その世界にはマイナスの感情はいっさいないのです。しかも、「キリスト」とか「神」と呼ばれるこの光に裁かれることも絶対にありません。なぜなら、それは絶対的・全体的な無条件の愛なのですから。
*本来の自分とは、肉体、感情、知性、霊の四つの調和のとれた人間であり、本当の愛は要求もしないし、「もし……ならば」とも言わないということを知っている人間です。
*自分の一つひとつの選択に自分が責任をもつこと、必要なのはたったそれだけです。
*私は「死とその過程」の専門家ではありません。できれば50年後には「生と生きていること」の専門家と呼ばれたいと願っています!なぜなら、正しく生きた人にとっては、死は怖いものではありません。それどころか、死は最大の喜びであるはずです。私たちは死ぬことを心配するよりも、今日何をなすべきかを心配すべきです。もしあなたが今日、行動ばかりでなく、思考においても言葉においても、最高の選択をすれば、死の瞬間は祝福に満ちた輝かしいものとなるのです。

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2017/10/11

「死ぬ瞬間」と死後の生 ①

821 E・キューブラー・ロスは偉大な仕事をした。この本を読むと、彼女は講演の名手でもあったことが分かる。。
 いつかこの本で読書会を開きたいが、そのためにも印象に残ったところを記しておく。

*問題は「私はその人に、死が迫っていることを告げるべきだろうか」ではなく、「私には彼の声が聞こえるだろうか」です。
*「あなたは私に何かを言おうとしているのね。でも私にはそれが何だかよくわからない。もう1回言ってちょうだい。」「わからないから、説明してちょうだい。」
*もし子どもに本当のことを話してもらいたかったら、見当ちがいのことを言えばいいのです。そのうちに子どもはこちらのばかげた質問に飽き飽きして、本当のことを言ってくれます。
*子どものいちばん素晴らしい点は、こちらが何かへまをやると、すぐにそれに反応することです。
*子どもたちがやり残した仕事をやりとげるのを手伝うのです。
*「ロス先生、あとひとつ聞きたいことがあるの。生きるって何?死ぬってどういうこと。それからどうして小さな子どもが死ななくちゃいけないの。ダギーより。」

*人はみんな四つの部分からできています。肉体的な部分、感情的な部分、知的な部分、そして霊的・直観的な部分です。
*(ずっと重要な問題は)自分の愛している人に向かってはっきりと「ノー」と言う勇気です。

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2016/11/30

嫌われる勇気(再読)

Imagessfalqb3o 今回、岸見一郎さんと古賀史健さん(写真)のこの本を再読して、改めて印象に残ったところを書いておく。
 「課題の分離」は入り口であり、出発点だということである。基底にあるのは、「仲間」とか「対等」という意識である。また、目指すのは、相手との「win - win」との関係であり、さらに「シナジー効果」(相乗効果)である。
 相手を屈服させる必要はない。負けてもいい。もうリタイアしているのだし。自分の道を淡々と歩めばいい。
 「他者貢献」は大切だが、独りよがりになっていないかは気をつけなければならない。他者にも、自分にも、常に心が開かれていたい。柔軟に対応でき、変化させていきたい。

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2016/11/17

「いい質問」が人を動かす

730 弁護士・谷原誠さんの言わんとしていることには共感する。(文響社)
*人間は、他人から言われたことには従いたくないが、自分で思いついたことには喜んで従う。だから人を動かすには命令してはいけない。自分で思いつかせればいい。
*人をその気にさせるには質問をすることである。また、人を育てるには質問をすることである。
*質問をされると、①思考し、②答えてしまう。まるで強制されるように思考し、答えてしまう。

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2015/11/11

心理学の名著30 ⑧

531 第4章は「心理学の展開」である。法、文化、経済への展開である。
28 ロフタス『目撃者の証言』(1979)~記憶はどこまで信用できるか
*後からされた質問が最初の目撃に影響を与える。(事後情報効果)
29 ヴァルシナー『新しい文化心理学の構築』(2007)~普遍と個別を架橋する概念としての文化
*人間は外界と直接関わるのではなく、記号を通して関わる。記号は人にふさわしい行動をガイドするものであり、文化は記号を通じて人に属する。人は記号を取り入れたくなるような文化に身を投じる。
*一度失敗や挫折があっても、いろいろな支援を受けながら、目標を達成することができる。つまり複線経路が存在する。そして、こうした複線性は文化によって実現され、それこそがレジリエンス(弾力性、恢復可能性)にほかならない。(複線経路等至性アプローチ)
30 カーネマン(写真)『ファスト&スロー』(2011)~行動経済学の基本にある心理学的考え
*今後の心理学では、物語や時間的流れを重視することになるだろう。
*速考と熟考、経験する自己と想起する自己、これらの対立を越えたところに、人生の幸福を理解するためのカギがある。

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2015/11/10

心理学の名著30 ⑦

Lazarus 「社会領域」(「人」としての心理学)の分野の続きである。
24 ミルグラム『服従の心理』(1974)~誰もが悪になりうる
*人間があまりにも簡単に集団や命令に屈して、他者に残虐になりうるということを示した。
*人の行動(特に社会的行動)について、内面の本性のようなもの(良心の遵守)が発現するというよりは、その人がおかれている状況に影響される(権威への服従)ということを示した。(状況論的な立場)
25 チャルディーニ『影響力の武器』(1988)~ダマされやすい心理学者による提案
*承諾を得るための6つの原理とは、①返報性、②一貫性、③社会的証明、④好意、⑤権威、⑥希少性である。
26 ラザルス(写真)『ストレスと情動の心理学』(1999)~単純な因果関係を乗り越える
*ストレスは経験した人の意味の領域と無関係ではありえない。……ストレスは出来事の「知覚」ではなく、「評価」が大事である。
*ストレス対応のプロセス全体を捉えるアプローチとして、物語(ナラティブ)パースペクティブを取り入れることを提案する。
27 ミシェル『マシュマロ・テスト』(2014)~性格は個人の中にはない
*自分の行動の原因は「状況による」と言い訳しがちなのに、他者の行動は「自分でやりたいからやっている」とか、「あの人はああいう性格だから」と解釈しがちである。
*人間には、目の前にあるものを積極果断に取っていこうとするホットシステムと、それを抑制するクールシステムがある。

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2015/11/09

心理学の名著30 ⑥

Leonfestinger 第3章は「社会領域」(「人」としての心理学)の分野である。
19 フロム『自由からの逃走』(1941)~人間の本質とは何か
*社会的性格(例えば「権威主義的パーソナリティ」)という新たな概念を提出した。
20 フランクル『夜と霧』(1947)~人生の意味を問い直す
*「私にしかできない何か」を問う。
21 レヴィン『社会科学における場の理論』(1951)~ゲシタルト心理学の流れ
*ある時期の子どもには、場の全体的な構造(ゲシタルト)を捉えることが難しいことを示した。
22 マズロー『人間性の心理学』(1954)~動機づけを与えるために
*ゲシタルト心理学の影響を大きく受けた、行動主義、精神分析とは異なる第三の心理学である。
23 フェスティンガー(写真)、リーケン、シャクター『予言がはずれるとき』(1956)~人は都合よく出来事を解釈する
*「認知的不協和理論」を提唱した。

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2015/11/08

心理学の名著30 ⑤

Carol_gilligan02_phdthumb250x377236 発達領域(「ひと」としての心理学)の続きである。
16 ギリガン(写真)『もうひとつの声』(1982)~他者への配慮の倫理
*「正義の倫理」に拮抗する「他者への配慮(care)の倫理」の可能性と重要性を示した。
*思考にファスト(速考)とスロー(熟考)があると指摘したのはカーネマンであるが、道徳性の心理学や脳神経倫理学はファスト思考だけを対象にして、科学的装いのもとに道徳・正義・倫理の問題を扱っており、大きな問題である。
17 ブルーナー『意味の復権』(1990)~意味から物語へ
*自己も意味づける主体としての役割を担わされている。
*ヒトがひとに成るための一つのキーは言語使用である。
*私たちが誰であるのか、の意味を紡ぐ様式は物語(ナラティブ)の様式であり、物語(ナラティブ)は文化と相互に影響し合っている。
18 ハーマンス、ケンベン『対話的自己』(1993)~自己はたった一つではない
*自己は様々な役割をもつものである。自己は複数存在する。

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2015/11/07

心理学の名著30 ④

530 第2章は「発達領域」(「ひと」としての心理学)の分野である。
10 ビネ、シモン『知能の発達と評価』(1905)~教育のための適切な検査
*知能検査は本来総合的判断を重視する。
11 フロイト『精神分析入門』(1917)~心理学と精神分析のつながり
*精神分析は新しい人間観(無意識)を示した。
12 ユング『心理学的類型』(1921)~対立を乗り越えて
*フロイトとアドラーの違いから理論を見い出す。
13 ヴィゴーツキー(写真)『教育心理学講義』(1926)~心理学が教育にできること
*ピアジェがどちらかというと生物主義的な見方をとったのに対し、ヴィゴーツキーは社会的観点をとり、他者との相互作用の重要性を強調した。二人の考え方の違いは、言語発達についてピアジェが内言から外言へと発達すると考えたのに対し、ヴィゴーツキーは外言から内言へと発達すると考えたことにある。
*教育とは、良い手助けを与えながら、次々と自力でできることを拡大していくことである。
14 ロジャーズ『カウンセリングと心理療法』(1942)~カウンセリングの可能性を開く
*クライエント(来談者)中心療法である。ペイシャント(患者)とは呼ばない。
15 エリクソン『アイデンティティとライフサイクル』(1959)~人間の発達の可能性
*多少の問題が起きても最終的に同じ結果になるということを「等至性」(とうしせい)という概念で表すが、エリクソンは人間の心理・社会的発達も、後から環境との相互作用を経て発生していくもので、少しくらい問題があっても同じ結果が起きるような案配になっていると考えた。(「後漸成」こうぜんせい) そして、それを支えるのが文化なのである。

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