カテゴリー「心理」の53件の記事

2019/01/27

仕事なんか生きがいにするな

964 精神科医の泉谷閑示さんの本である。(幻冬舎新書) 教えられたことは多い。
*アレントの言った意味での「仕事」の復権や「活動」というものへの目覚め、そして忘却されて久しい「観照」というものを、たとえわずかであっても日々の生活の中に復活させることが大切である。
*愛とは、相手(対象)が相手らしく幸せになることを喜ぶ気持ちである。欲望とは、相手(対象)がこちらの思い通りになることを強要する気持ちである。
*「愛」が働く時、私たちは対象を深く見つめ、耳を澄まし、そこに潜む本質を感じ取ろうとする。これによって物事に秘められた真実が、見つめる者、耳を澄ます者に、静かに開示される。
*あえて無計画、無目的に、自分の行動を「即興」に委ねてみることによって、私たちの決まりきった日常が、ささやかながらもエキサイティングな発見と創意工夫に満ちたものに変貌する。これを「偶然に身を開く」と呼ぶ。
*「面倒臭い」と感じることを、むしろ積極的に歓迎してみる。

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2018/07/09

夜と霧

900 ヴィクトール・E・フランクル著、新版は池田香代子訳である。(みすず書房)
 フランクルのいう意味=価値の3つは有名である。
①創造価値(仕事等、ボランティア、作品制作、子育てなども含むだろう)
②体験価値(自然、芸術、愛などを体験すること。旅行、食なども含まれるかも)
③態度価値(変えられない厳しい環境の中でも示せる態度、言葉、表情など。他への思いやり、愛情など)
これらはdoingの価値である。
 
 自分では変えられない、運命のようなものがある。そこに苦悩が生まれる。強制収容所というものでなくても、我々は生まれを変えられない。生い立ちも、もう変えられない。総じて言えば、過去は変えられない。
 また、他の者ではなくて、なぜこの私がこの苦しみを持たなければならないのか?よりによって、なぜこの私がこの悩みを持たなければならないのか?この理不尽さに耐えがたくなることがある。この苦悩が自分に与えられている意味を考えざるを得なくなる。
 このような気持ちの時、運命や苦悩に対する自らの態度が問われる。その態度如何によって、そこに価値が生じる。それが態度価値である。

 beingの価値も考えたい。それは、ただ存在しているだけで価値があるとする「存在価値」である。それは説明できない。論証できない。無条件の価値である。(他との関係性の中で、ケアの活動の中で、浮かび上がってくる価値とも言えるが……)。

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2017/10/13

「死ぬ瞬間」と死後の生 ③

823 心に止めておきたい言葉はたくさんある。
*「救う」と「助ける」:助けることこそ真に人間のすべきことではないでしょうか。
*救いの手を出さずに、相手が自分で学ぶのを優しく見守ることです。愛とは、いつ補助輪をつけてやったらいいか、いつ外したらいいかを知ることです。それが愛です。補助輪を外すのはつけるよりもはるかにむずかしいです。でも結局は外さなくてはならないのです。
*学ぶべきことはいずれにせよ何らかの形で学ばなければならないということ、そして、学ばなければならない理由はあなた自身にあるということです。

(以下はこの本の解説にあたるようなところの文章です。)
〇E・キューブラー・ロスは、死とその過程という問題から離れて、命と生きることの方へと重心を移しつつあり、そういう自分の心の経過をいっそう深く見つめようとしていた。
〇E・キューブラー・ロスの仕事を、医学の変革だと言う人もあれば、新たなかたちの宗教だと言う人もいますが、どちらにしても、彼女はいつまでもこの世界に光を投げかけつづけることでしょう。
〇本書の最初の講演は1976年、最後は88年だが、その間に、彼女の心境には大きな変化があったため、本書の前半と後半とではずいぶんトーンが異なる。彼女を変えたもの、それは神秘体験、とくに臨死体験である。したがって、前半では死に至る過程が、後半では死後の生が語られているといっていい。

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2017/10/12

「死ぬ瞬間」と死後の生 ②

822 キューブラー・ロスは、生、死、死後の生について語っていく。
*この光は、物理的エネルギーや心的エネルギーではなく、霊的エネルギーの源です。人間にはこの霊的エネルギーを使うことも操作することもできません。それは、マイナスの感情がひとかけらもない存在領域のエネルギーなのです。つまり、現世にいたときに私たちがどんなに悪く、どんなに大きな罪悪感を抱いていようと、その世界にはマイナスの感情はいっさいないのです。しかも、「キリスト」とか「神」と呼ばれるこの光に裁かれることも絶対にありません。なぜなら、それは絶対的・全体的な無条件の愛なのですから。
*本来の自分とは、肉体、感情、知性、霊の四つの調和のとれた人間であり、本当の愛は要求もしないし、「もし……ならば」とも言わないということを知っている人間です。
*自分の一つひとつの選択に自分が責任をもつこと、必要なのはたったそれだけです。
*私は「死とその過程」の専門家ではありません。できれば50年後には「生と生きていること」の専門家と呼ばれたいと願っています!なぜなら、正しく生きた人にとっては、死は怖いものではありません。それどころか、死は最大の喜びであるはずです。私たちは死ぬことを心配するよりも、今日何をなすべきかを心配すべきです。もしあなたが今日、行動ばかりでなく、思考においても言葉においても、最高の選択をすれば、死の瞬間は祝福に満ちた輝かしいものとなるのです。

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2017/10/11

「死ぬ瞬間」と死後の生 ①

821 E・キューブラー・ロスは偉大な仕事をした。この本を読むと、彼女は講演の名手でもあったことが分かる。。
 いつかこの本で読書会を開きたいが、そのためにも印象に残ったところを記しておく。

*問題は「私はその人に、死が迫っていることを告げるべきだろうか」ではなく、「私には彼の声が聞こえるだろうか」です。
*「あなたは私に何かを言おうとしているのね。でも私にはそれが何だかよくわからない。もう1回言ってちょうだい。」「わからないから、説明してちょうだい。」
*もし子どもに本当のことを話してもらいたかったら、見当ちがいのことを言えばいいのです。そのうちに子どもはこちらのばかげた質問に飽き飽きして、本当のことを言ってくれます。
*子どものいちばん素晴らしい点は、こちらが何かへまをやると、すぐにそれに反応することです。
*子どもたちがやり残した仕事をやりとげるのを手伝うのです。
*「ロス先生、あとひとつ聞きたいことがあるの。生きるって何?死ぬってどういうこと。それからどうして小さな子どもが死ななくちゃいけないの。ダギーより。」

*人はみんな四つの部分からできています。肉体的な部分、感情的な部分、知的な部分、そして霊的・直観的な部分です。
*(ずっと重要な問題は)自分の愛している人に向かってはっきりと「ノー」と言う勇気です。

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2016/11/30

嫌われる勇気(再読)

Imagessfalqb3o 今回、岸見一郎さんと古賀史健さん(写真)のこの本を再読して、改めて印象に残ったところを書いておく。
 「課題の分離」は入り口であり、出発点だということである。基底にあるのは、「仲間」とか「対等」という意識である。また、目指すのは、相手との「win - win」との関係であり、さらに「シナジー効果」(相乗効果)である。
 相手を屈服させる必要はない。負けてもいい。もうリタイアしているのだし。自分の道を淡々と歩めばいい。
 「他者貢献」は大切だが、独りよがりになっていないかは気をつけなければならない。他者にも、自分にも、常に心が開かれていたい。柔軟に対応でき、変化させていきたい。

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2016/11/17

「いい質問」が人を動かす

730 弁護士・谷原誠さんの言わんとしていることには共感する。(文響社)
*人間は、他人から言われたことには従いたくないが、自分で思いついたことには喜んで従う。だから人を動かすには命令してはいけない。自分で思いつかせればいい。
*人をその気にさせるには質問をすることである。また、人を育てるには質問をすることである。
*質問をされると、①思考し、②答えてしまう。まるで強制されるように思考し、答えてしまう。

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2015/11/11

心理学の名著30 ⑧

531 第4章は「心理学の展開」である。法、文化、経済への展開である。
28 ロフタス『目撃者の証言』(1979)~記憶はどこまで信用できるか
*後からされた質問が最初の目撃に影響を与える。(事後情報効果)
29 ヴァルシナー『新しい文化心理学の構築』(2007)~普遍と個別を架橋する概念としての文化
*人間は外界と直接関わるのではなく、記号を通して関わる。記号は人にふさわしい行動をガイドするものであり、文化は記号を通じて人に属する。人は記号を取り入れたくなるような文化に身を投じる。
*一度失敗や挫折があっても、いろいろな支援を受けながら、目標を達成することができる。つまり複線経路が存在する。そして、こうした複線性は文化によって実現され、それこそがレジリエンス(弾力性、恢復可能性)にほかならない。(複線経路等至性アプローチ)
30 カーネマン(写真)『ファスト&スロー』(2011)~行動経済学の基本にある心理学的考え
*今後の心理学では、物語や時間的流れを重視することになるだろう。
*速考と熟考、経験する自己と想起する自己、これらの対立を越えたところに、人生の幸福を理解するためのカギがある。

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2015/11/10

心理学の名著30 ⑦

Lazarus 「社会領域」(「人」としての心理学)の分野の続きである。
24 ミルグラム『服従の心理』(1974)~誰もが悪になりうる
*人間があまりにも簡単に集団や命令に屈して、他者に残虐になりうるということを示した。
*人の行動(特に社会的行動)について、内面の本性のようなもの(良心の遵守)が発現するというよりは、その人がおかれている状況に影響される(権威への服従)ということを示した。(状況論的な立場)
25 チャルディーニ『影響力の武器』(1988)~ダマされやすい心理学者による提案
*承諾を得るための6つの原理とは、①返報性、②一貫性、③社会的証明、④好意、⑤権威、⑥希少性である。
26 ラザルス(写真)『ストレスと情動の心理学』(1999)~単純な因果関係を乗り越える
*ストレスは経験した人の意味の領域と無関係ではありえない。……ストレスは出来事の「知覚」ではなく、「評価」が大事である。
*ストレス対応のプロセス全体を捉えるアプローチとして、物語(ナラティブ)パースペクティブを取り入れることを提案する。
27 ミシェル『マシュマロ・テスト』(2014)~性格は個人の中にはない
*自分の行動の原因は「状況による」と言い訳しがちなのに、他者の行動は「自分でやりたいからやっている」とか、「あの人はああいう性格だから」と解釈しがちである。
*人間には、目の前にあるものを積極果断に取っていこうとするホットシステムと、それを抑制するクールシステムがある。

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2015/11/09

心理学の名著30 ⑥

Leonfestinger 第3章は「社会領域」(「人」としての心理学)の分野である。
19 フロム『自由からの逃走』(1941)~人間の本質とは何か
*社会的性格(例えば「権威主義的パーソナリティ」)という新たな概念を提出した。
20 フランクル『夜と霧』(1947)~人生の意味を問い直す
*「私にしかできない何か」を問う。
21 レヴィン『社会科学における場の理論』(1951)~ゲシタルト心理学の流れ
*ある時期の子どもには、場の全体的な構造(ゲシタルト)を捉えることが難しいことを示した。
22 マズロー『人間性の心理学』(1954)~動機づけを与えるために
*ゲシタルト心理学の影響を大きく受けた、行動主義、精神分析とは異なる第三の心理学である。
23 フェスティンガー(写真)、リーケン、シャクター『予言がはずれるとき』(1956)~人は都合よく出来事を解釈する
*「認知的不協和理論」を提唱した。

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