2009/11/03

冬の動物園・センセイの鞄

7andy_071993237andy_07228424 谷口ジローにハマッている。
 その端正な絵が好きである。優しさと懐かしさに溢れたストーリーが好きである。
 「冬の動物園」はマンガを描く主人公の青春時代の物語である。病身の少女への一途な恋がそこにある。この少女には生き続けてほしい。
 「センセイの鞄」は川上弘美原作である。37歳独身女性のツキコさんと彼女の高校時代の国語教師、現在70代のセンセイとの物語である。
 2人の間に酒と肴がある。この食べ物に対する愛着と表現は、「孤独のグルメ」で発揮されたように谷口ジローの得意とするところであり、秀逸である。
 この2人の関係は距離を置いた静かな関係である。しかし、恋物語である。
 いろいろな恋があっていい。ないよりはあった方がいい。人と人との優しい関係は見ていて心温まる。

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2009/10/29

赤と黒・悪霊

7andy_32040191 続けて、マンガで、スタンダールの「赤と黒」、ドストエフスキーの「悪霊」を読んでしまった。どちらも19世紀の文学である。
 「赤と黒」はこれほど劇的な物語とは思っていなかった。生まれ、身分、階級を乗り越えてしまう激しい恋愛である。
 妻が中学生の頃に読んだことがあると聞いて、ちょっとびっくりした。(本当に分かって読んでいたのかな?)
 「悪霊」も激しい生き方である。革命をテーマにしている。内ゲバもある。
 19世紀の文学ってロマンとドラマがたっぷりある。

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2009/10/28

失われた時を求めて・ユリシーズ

7andy_322324297andy_32216424 20世紀を代表する文学のプルースト「失われた時を求めて」とジョイス「ユリシーズ」をマンガで読んでしまう。
 20世紀文学は情景や心理の描写が細密であるが、それを文章では味わわず、マンガでストーリーを追ってしまうといったところである。
 「失われた時を求めて」はフランス・パリの社交界などが舞台である。貴族、ブルジョア、庶民といった階層はある。貴族は窮屈、ブルジョアはスノッブだ。これらも第一次世界大戦で変化していく。
 恋愛もあり、上昇志向の物語もある。謎めいた人物が登場すると、それは同性愛者である。聖書になぞらえて、男同士だとソドム、女性同士だとゴモラなどと称される。
 過去に体験した記憶を綴っていく作品である。人生の思い出を語るということであれば、ある意味では誰でもできることであり、私も幸せな記憶を表現したくなる気持ちはよく分かる。
 「ユリシーズ」はアイルランド・ダブリンの1日の出来事を描いた長編である。
 神話に匹敵する豊穣な1日である。ダブリンの町を全て再現できるくらいの物語である。また、妄想が妄想を呼ぶ話でもある。
 夫婦の関係がうまくいかなくなるきっかけが子どもの死というのも悲しい。
 2つの作品とも20世紀文学らしく、「時間」というものが重要である。過去の記憶にしろ、1日の出来事にしろ、時間、そして人生の不思議さを味わうことになる。

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2009/10/26

遥かな町へ

7andy_07139612 谷口ジローの作品を続けて読む。これも素晴らしい作品で感動する。
 「父の暦」と同じに鳥取という故郷を舞台にしている。今回の作品は48歳の主人公が14歳、中学生の時にタイムスリップした話である。
 家族の話が私には興味深い。特に父親との関係は緊張をはらんでいる。
 この作品では父親が家族から離れてしまう。「父の暦」では母親が家族から離れてしまう。この種のテーマを谷口ジローは好んでいるのか。
 私には家族から離れていく気持ちがいま一つ分からない。

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2009/10/25

父の暦

7andy_07211174 谷口ジロー作のこの物語の舞台は鳥取である。語り手の「私」の故郷である。昭和27年の鳥取大火のことも初めて知った。
 父と「私」を主軸にした家族の物語である。家から出て行った母も当然たいへん大きな存在である。
 家族の歴史、家族の重みを感じる。
 長男である「私」、その長男としての煩わしさの感覚も分かる。
 谷口ジローらしい、動物(犬)への愛情も感じられる。
 ちなみに、私のふるさとは東京の目黒である。

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2009/10/20

ゴーダ哲学

7andy_31938949 業田良家さんの「自虐の詩」、「ロボット小雪」には泣いた。映画「空気人形」にも感心した。
 この「ゴーダ哲学堂」には24編の短編が収録されている。
 テーマは多様であるが、一つには家族の話が多い。それからロボットに関する話が多い。このあたりは私が好きな理由である。
 また、「悲劇排除システム」なるものが3編ある。これは森岡正博さんの「無痛文明」に通ずるような気がする。
 各編のキャラクターがそれぞれユニークだから、いわゆるキャラ立ちしていて、面白い。
 やはり業田良家さんは奇才・天才だ。
 俗っぽい、陳腐なテーマも多い。高尚ぶらない、素朴だから、共感しやすい。とにかく多方面に渡る哲学的テーマを具象化できる能力はすごい。そこが奇才だ!

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2009/10/19

孤独のグルメ

7andy_30655151 B級グルメ歩きの話である。
 定食屋、回転寿司、焼肉、甘味屋、野球場のカレー、デパート屋上のうどん、コンビニ・フーズ等々。
 等身大の話だから、自分も一緒に食べている感じ、さらに食べたくなる感じを持つ。
 人情話も時にからむから、話が面白くなる。(喧嘩もある。)
 食べる自由と幸福を一人で味わう。この孤高の行為だからこそ、食べ物ときちんと向き合える。これはまさに私のラーメン食べ歩きに通ずる行為である。
 原作・久住昌之、作画・谷口ジローのよく売れた人気作品である。もっともっと話は続きそうな気がするのだが…。

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2009/10/10

犬を飼う と12の短編

7andy_07227549 作者の谷口ジローは1947年生まれ。絵が精密で丁寧に描かれているから私は好きである。
 夏目漱石を描いた「坊ちゃんの時代」が私には最も馴染みであった。谷口ジローは多彩な分野を持っているが、その中で動物や自然を描いた一連の作品群がある。どれも人間との関わりのある動物・自然である。
 動物を愛する姿勢がこの短編集にも溢れている。そして、人間と動物の生と死を描いていく。犬、猫、ユキヒョウ、ザトウクジラ、ヘラジカ等々。
 一方、動物の持つ凶暴さも描いている。ツキノワグマ、狼などである。
 この短編集の中でも、日本を舞台にした話の方に私が多く共感するのは、私が長い間日本に暮らしているからか。

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2009/09/11

ロダンのココロ 春・夏・秋

7andy_322292447andy_322472247andy_32289261 ラブラドール犬のロダンは家族思いである。
 その家族とはダンナ、オクさん、おじょうさんとワシ(ロダン)である。この家族構成は我が家と同じである。ただし、我が家は犬ではなくてネコのシマちゃんである。(最近はなぜか、この家族構成の小説やコミックをよく読む。)
 ロダンはいつも家族のことを思っている。自分がバカにされても、他の家族が喜んでいると、幸せになってしまう。これは何とも素晴らしいキャラクターである。
 ロダンは考える犬である。時々哲学的な問いを立てる。しかし、その問いに答えがないことも知っている。
 考えることよりも自然や季節に感動することを大切にしている。気候や天候の変化に敏感であり、自然の素晴らしさを分かっている。その自然をひとつひとつ、じっくりと楽しむことができる。
 ロダンのように考え込まずに、この自然を天真爛漫に楽しんでしまうのが、「となりのぼっちゃん」である。ロダンもそうだけれど、私もこのぼっちゃんが大好きである。
 いずれにせよ、犬というのはネコよりは頭がよさそうである。

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2009/09/03

星守る犬

7andy_32274859 村上たかし作の泣けるマンガである。
 しかし、前半の「星守る犬」は考えさせられた。妻や娘といった家族との関係についてや生活福祉の問題など、悩んでしまうことが多かった。だから、素直におとうさんや犬のハッピーに対して泣けなかった。
 後半の「日輪草」では、ケースワーカーの奥津さんがメインになり、二つ併せて、たいへん厚みのある作品になった。私は「日輪草」で、すんなりと泣いた。

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2009/08/17

サマーウォーズ

333497_100x100_001 また、日本のアニメの傑作が生まれた。
 日本の高水準を示す綺麗な映像である。
 ネットサービス上で普段活躍するのは草食系の男子である。
 そのネット上の世界に対比されるのが、田舎、大家族、旧家、おばあちゃん、歴史や血、あるいは肉体派の高校野球である。
 ネット上の世界で生じたサイバーテロに、上に挙げた対比される者たちが対抗していく。そこが面白い。
 ネットサービス上の分身キャラクター(アバターと言う)が綺麗で洗練されている。一方、人間のキャラの方がスマートでないし、どたばたしている。しかし、この落ち着きのなさが人間らしいし、人間の暖かさだ。
 ひとつ疑問に思ったのは、これだけサイバーテロにあっているのに、携帯電話はかなり正常に繋がっていることである。これはストーリーのスピーディな展開上必要だということがあったと私は想像している。それだけ携帯電話は現代において日常化しているし、これがパニックになったことを想定すると本当に恐い。
 手紙や黒電話の時代には戻れないのだ。

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2009/06/30

新宝島

7andy_32208914 60年以上前の昭和22年に発行された記念すべき1冊である。石森章太郎や藤子不二雄などトキワ荘のメンバーが絶賛し、彼らが影響を受けた手塚治虫の作品である。
 古く感じる箇所はあるが、普遍的な面白さを持っている。
 酒井七馬なる人物が原作であるが、漫画らしい荒唐無稽、スケールの大きな筋立てである。
 しかし、何よりも漫画の画の可能性を感じさせる。アップや引き、広角や望遠、アングルのめまぐるしい変化、コマ割りのユニークさ、展開がスムーズで迫力を感じる。
 手塚治虫の天才ぶりが発揮されているわけだが、これは昨日書いた浦沢直樹にも繋がっている。

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2009/06/29

PLUTO 8

7andy_07223491 浦沢直樹の作品、鉄腕アトム「地上最大のロボット」よりの「PLUTO」、いよいよ完結である。
 浦沢直樹は、MASTERキートン、MONSTER、20世紀少年と読んできたが、このPLUTOが私には一番ぴったりしている。手塚治虫に大きな影響を受けた私だから、当然か?
 悲しみや怒りの感情というものをクローズアップさせる。そして、戦いからは何も生まれない、愛がなければ生まれない、と訴える。
 手塚のメッセージを伝える浦沢は、やはり手塚の直系のような気がする。あの偉大な手塚の直系になるのはなかなかたいへんなことである。
 このPLUTOにおいては、アトムやウランなどのキャラクターが人間の子どものように描かれている。これは浦沢作品としては成功していると思う。

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2009/06/17

劇画漂流 上・下

7andy_321653617andy_32180023 作者「辰巳ヨシヒロ」氏の個人史というだけでなく、戦後の庶民の大衆史になっている。
 漫画・劇画の盛衰史である。劇画という言葉も流行した。出版社の盛衰でもある。出版社と作家との対立・確執なども描かれている。発展途上の世界だったから、揺れに揺れていた。
 東京圏とは異なる関西圏の独特で厚みのある世界があったのだ。それでも当時は関西から東京に上京するのがメジャーへの道であった。
 漫画・劇画の世界は自分たちの世界を持っていた。それは内輪受け的なところもあった。手塚治虫文化賞大賞受賞というのもちょっと内輪受け的な気もする。
 いずれにせよ、細かいところまでよく覚えていて、描いているという印象である。

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2009/06/05

大阪ハムレット③

7andy_07218937 ちょっと理解しがたい大阪人。
 理屈を相当超えている。こんなにひどい人でも、とにかく人間が好きなんや。
 キャバクラ嬢、アリサちゃんの婚カツ物語がある。アリサちゃんはたくましく、かわいい。幸せになってほしくなる。

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2009/06/01

この世界の片隅に(下)

7andy_07220499 天童荒太「悼む人」以来の大感動の作品である。
 一方で、漫画の可能性を感じさせるような様々な手法も使っている。
 主人公「すず」が描く、鬼(兄)イチャンの漫画。「隣組」という歌に合わせて、当時の近隣関係を紹介。当時の苦労している料理法の紹介。紙上の人生相談に引っ掛けた人物紹介。「いろはかるた」を使って世相を紹介等々。多彩な方法が作品の厚みを増している。
 辛く苦しい戦争の中で、すずとすずを取り巻く家族が笑いを作る。サザエさんのような雰囲気も垣間見せる。これも作品に多面性を与えている。
 ストーリー、構成も練られており、いくつかの布石も効いている。
 日本の近代文学の高みに匹敵すると思う。

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2009/05/31

この世界の片隅に(中)

7andy_07205844 戦争という時代背景を抜きにしてはこの物語は語れない。
 死が常に身近にある。明るく生きようとしても、戦争の悲劇が起きる。
 生きていることが愛しい。作者が言う「のうのうと利き手で漫画を描ける平和」の幸せを今の時代に感じる。(「利き手」の意味は原作を読んでもらえば分かる。)
 作者の「こうの史代」さんは1968年生まれなのに、よくこのように戦争を描けたなぁ、と感心する。実によく調べてある。「夕凪の街 桜の国」で、その素晴らしさは実証済みだが。
 改めて思うのだが、主人公の「すず」と私の母親は同世代である。同じ戦争を経験してきた世代である。私が強く心を揺さぶられるのはそのせいかもしれない。
 また、付け加えて言えば、この時代は戦争だけでなく、貧しさと因習的な家族制度もあった。その中で「すず」のように健気に生きていた人たちがいたのである。

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2009/05/30

この世界の片隅に(上)

7andy_07196607 少し読んだだけで、涙が出てくる、素晴らしい作品に出会えた。これは幸せである。
 「戦中の広島、絵を描くことが好きな浦野すずは、軍都・呉へと嫁ぐ。見知らぬ家、見知らぬ人々、見知らぬ街…。」
 この主人公「すず」がたいへん可愛い。絵が上手である。ボーっとしている、天然ボケのところがある。そして、明るく生きようとしている。
 戦争中に、19歳で軍都に嫁いでいく。この世界の片隅で、一生懸命生きているすずは、まさに健気である。このすずを暖かいまなざしで描いているのが素晴らしい。作者が女性だから、すずの描き方が自然であり、悲劇のヒロインっぽく、いやらしく描いていない。だから素直にすずを応援したくなる。
 すずの家族が、これまたいい。実家のお父ちゃんお母ちゃん、そして恐い鬼イチャン(お兄ちゃん)(戦死した)、妹のすみちゃん。
 嫁ぎ先の北條家。夫の周作さん。(大人しそうに見えるが…。すずと周作の小さい頃の出会いは最高である!)。父上、母上。そして姉上の徑子さんの小姑振りがイイ。
 (このあたりの人物像のおもしろさは言葉では表現できないもどかしさを感じる。原作をぜひ読んでほしい。)
 この時代の嫁の苦労、辛さを強く感じる。しかし、この時代の夫婦、家族の絆の強さも感じる。
 ゆっくりゆっくりと読みたい作品、そして読み返してみたくなる作品である。

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2009/05/16

ムーたち②

7andy_07191131 「ムーたち」ワールドで起こること。
 自由で選択しているように見える。偶然のように見える。しかし、それらは、あるメタのルールによって決定されているのかもしれない。
 数字や文字の不思議さにとことんこだわる。
 自分を見ている「セカンド自分」、さらにこれらを見ている「サード自分」、さらに見ている「フォース自分」、さらに………。
 作者の榎本俊二さんは、作品内に新しい形式、ルールを設定することが上手な「テンプレ名人」である。

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2009/05/13

火垂るの墓

4_40998 1988年の作品だが、今まで見てこなかった。
 昭和20年9月21日、14歳の清太は餓死した。その前に妹の節子も4歳で餓死した。
 今の日本では信じられないような話だ。しかし、戦争直後の日本にはあったことだろう。今でも世界の貧困にあえぐ子どもたちの中には起こりえることである。
 育てる親がいないということは子どもにとってはとても厳しいことである。
 このきょうだいはどうしようもないところにどんどん追い込まれる。他の人たちは自分が生きることで精一杯であり、誰も助けてくれない。ここにも大きな格差、不平等がある。
 兄が妹を思い、妹が兄を思う、だけでは助からない。戦争とは酷いものだ。
 悲しさと同情とともに怒りがこみ上げてくる。

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2009/05/11

ムーたち

7andy_07176422 池谷裕二さん推薦のナンセンス漫画である。
 一話一話のテーマを何度か反芻すると、その面白さ、不思議さが分かってくる。
 よく出てくるテーマは「偶然」ということである。しかし、そこに我々が気づいていないメタの法則性や意味があるかもしれない。隠れている世界の構造が見えてくるかもしれないのだ。
 不条理漫画のような虚しさや怒り・恨みなどのトーンはあまり感じられない。ニュートラルな不思議さを素直に感じる。
 また、素材として、言語、記号、文字などがよく取り上げられる。日本語を材料に、言語の恣意性などが浮かび上がってくる。
 さらに、池谷さんの推薦らしく、脳の話も多い。「記憶」、「想像」などの脳の働き、記憶に関連して脳に栞を挟む話、無心で居続けることはできず、何かしら思い浮かべてしまう脳の話などが登場する。

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2009/05/07

豆しば

7andy_32163812 ゆるキャラは、まあまあ好きだ。
 たあ坊がいた。タレパンダがいた。シッタカブッダがいた。
 哲学的な感じもあったり、悟りきっているような感じもしたりした。
 とにかくホッとする。

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2009/04/28

手塚治虫展

Image 手塚治虫のメッセージは、生命を尊ぶというものである。
 手塚のテーマ・思想は私の大半を作っている。私への影響は測り知れなく、手塚なくしては私の思想もないように思う。私の人生を豊かにしてくれた。いつも思うのだが、私と同時代にいてくれてよかった。
 日本の誇りの人物であり、現代の日本の文化の一翼を担った。

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2009/04/05

中春 こまわり君

7andy_07217031 あの「がきデカ」のこまわり君が38歳になっていた。
 あのギャグ(「死刑!」「アフリカ象!」など)は時々挿入されるが、ストーリー展開もある。会社や家族や子どもの頃からの友人をめぐって、いわゆる大人の物語がある。
 そこには大人特有の寂しさや哀愁が漂う。あの子どもの頃の元気やハチャメチャが懐かしい、ということになる。

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2009/03/17

つみきのいえ

20090302020fl00020viewrsz150x7andy_32144660 アカデミー賞短編アニメ部門受賞の作品である。アニメと絵本の両方を見た。
 この作品の世界にたちまち引き込まれてしまう。この素晴らしい世界を味わうためには見てもらうしかない。
 思い出というのはいいものだ。共通の確固としたものがあるはずだ。これらは記憶とともに記録にも留めておきたい。
 絵本の方では、亡くなるおばあさんの手をおじいさんが手を繋ぎ続ける。印象的な場面だ。

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2009/02/23

PLUTO 7

7andy_07216963 浦沢直樹は、マスター・キートン、モンスター、二十世紀少年と読んできて、PLUTOである。
 これは手塚治虫の鉄腕アトム「地上最大のロボット」を下敷きにして、これを継ぐものである。
 漫画が文学、映画に匹敵する高みに達していることが分かる。この分野の歴史的事業である。
 鉄腕アトム世代としては、感動に溢れる表現になっており、素晴らしいと思う。
 次の8巻目で完結の予定であるが、期待はかなり膨らむ。

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2008/12/14

もやしもん

07146934 細菌が目に見えてしまうという主人公の設定が面白い。
 地球環境問題からしても、農学に関心が高まっている。農大、農大生の実態も面白い。
 細かい専門分野になってくると、分かりにくく、共感しにくい。

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2008/12/08

聖☆おにいさん

0719687607205972 ブッダとイエス、世紀末を無事に越えた二人のお兄さんは、東京・立川でアパートをシェアし、下界でバカンスを過ごしている、という話である。
 私は体験もあり、経典や聖書も読み、マンガ聖書物語や手塚治虫の「ブッダ」も読んだ者である。
 このコミックは宗教を汚しているわけではない。おちょくっているわけでもない。親しみのある、ゆるい関係で受容してしまうのである。これが現代である。
 ディテールがおもしろい。ブッダのTシャツには「仏顔×3」と書いてある。キリストのTシャツには「父と私と聖霊」と書いてある。このTシャツが毎回変わるのが楽しい。
 知識があるだけに、細かいネタで笑ってしまう。しかし、それほど深まっていく面白さはない。当たり前か?

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2008/08/26

ロボット小雪

32108182 「自虐の詩」の業田良家の作品で、「新・自虐の詩」と冠が付いている。
 まさに鬼才(奇才?)の、衝撃的な作品である。
 自虐の詩と同様に4コマまんがからスタートして、ラストは感動的なストーリーになっていくスタイルである。
 恐ろしい格差を描き、ロボットと心(ものすごく純粋な心)という深いテーマを持っている。
 前半の4コマのユニークさと面白さには脱帽する。そして、優しさとともに悲しさを感じる、ラストには泣かされる。

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2008/08/18

まんが2冊

3196312707205391 まんがで読破「蟹工船」だ。今、話題の小林多喜二の「蟹工船」である。以前、小説では挫折したので、今回はまんがになったものを読んでみた。
 従順な青年も食い物にされる恐ろしい世界を見た。

 もう一つは浦沢直樹の「PLUTO 6」である。手塚治虫の鉄腕アトムを下敷きにしている。
 じっくりゆっくり読むと、緊張感とミステリアスなムードが高まる。浦沢直樹の世界を味わえる。

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2007/10/28

21世紀少年

07190466 遂に完結した。
 子どもの時代に描いた夢想が大人になって現実化していくという構造の物語。
 これは膨大な伏線と広がりを持った物語を生んだ。
 子ども世界にもある正義と悪が大人でも展開する。
 でも、「カツマタくん」って誰だっけ?

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2007/08/23

神聖喜劇

31709243 「神聖喜劇」大西巨人作の漫画版なのだが、圧倒された。
 この戦後のモンスター的小説を漫画版ながら、読み通すことができたのはよかった。
 あまりに人間くささが出すぎている話に、面白いというしかない。 
 私はこの話を近代組織の話、サラリーマン小説という見方をして読んだ。
 巨大な近代組織である軍隊は矛盾と愚かさに満ちている。理不尽さが支配しているが、そこからは抜け出せない。今の会社組織や官庁組織と同じである。
 組織の上の方の間違いが下の方で拡大されていく。下の者はそれに容易には抵抗できない。病んだ組織は組織内にイジメを多発させる。人の命を軽んじる。
 その巨大組織に立ち向かう主人公東堂太郎は論理と記憶で対抗する。それは勝利することもある。しかし、その東堂は人間離れしており、神や作者自身の目のような気もしてくる。
 むしろ、周囲の人物の方が人間くさい気もしてくる。
 とにかく、この本は時々思い出される本になるだろう。

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2007/07/09

読み通せない

07082290 「舞姫テレプシコーラ」は手塚治虫賞を受賞した作品だが、私には読むのがしんどい。
 悲劇の人物、弱い人物、この作品では「空美」の存在が無理やり作られているようでいて、いたたまれない。
 女性漫画の典型的いじめられっ子なのか。
 どうにも理解しがたい。

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2007/06/03

C級さらりーまん講座

07177765_2 サラリーマンのネタも尽きないものである。
 ちょっと悲しくて、情けなくて、おかしい。
 組織の中の人間ということである。
 4コマものより、1コマの方が鋭くておもしろい。

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2007/05/19

大阪ハムレット

0716623307177765 よくこんなキャラクターが浮かぶなぁ。大阪のこてこての濃い人間が並ぶ。
 子どもがよく登場する。主役でもある。だから学校が舞台になることも多い。その子どもたちがたくましい。
 ストーリーもこてこてに展開する。人間っておかしくて悲しいよね、という話である。 

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2007/05/18

いけちゃんとぼく

31765216 生きるのが楽しい。生きることを味わえる今。
 人は経験がないと泣けない。心の余裕がないと泣けない。今、泣ける自分がうれしい。
 泣くと心が洗われる。心が軽くなる。
 この西原理恵子の絵本には大きな仕掛けがあった。それで泣ける。

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2006/12/10

20世紀少年22巻目

060210_212900_8 最終章に入る前の一区切りの巻である。
 20世紀少年とは我々のこと、私のことだ。
 1970年の大阪万博の時代だ。
 科学の力、科学の未来を信じていた少年たちである。

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2006/11/25

ブッダをめぐる人びと

31793904 コミックである。里中満智子である。(佼成出版社)
 ブッダをめぐる人たちを感動的に描いている。
 ブッダやブッダをめぐる人たちに関心を持てるのは年を取ったせいか。
 寝る前に2~3話を読むと落ち着いた気持ちになる。

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2006/11/23

のだめカンタービレ

07091088 「のだめカンタービレ」二ノ宮知子(講談社)は今テレビドラマ化されている人気コミック。
 天真爛漫でハチャメチャな野田恵(のだめ)をめぐる学園コメディ。コミックでクラシック音楽も楽しめる?
 しかし、おじさんの私には付いていけないところである。

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2006/11/12

月館の殺人

060502_1924_107168375 「月館の殺人」(小学館)は綾辻行人原作、佐々木倫子漫画の作品である。
 佐々木倫子といえば、「動物のお医者さん」「おたんこナース」の作者であり、私も楽しんだ作品である。
 この「月館の殺人」は鉄道ミステリーとして一級の作品だと思うが、殺人が多いのには私は違和感を覚える。

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2006/11/04

永島慎二の世界

07173954060210_212900_4 「AERA」の「ニッポンのマンガ」を買って刺激を受けて、またコミックを読みたくなった。最近は仕事疲れで固い本をあまり読めなくなったから。
 「永島慎二の世界」(チクマ秀版社)は1962年から72年までの短編作品を収録してある。
 懐かしく感じる作品ばかりである。素朴な感情を表現しているからこそ、力強い。
 私の感覚の基盤にあるものと同じものである。これは日本の近代文学の感覚でもあるような気がする。

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2006/10/15

ブタのふところ

31770462 久しぶりに「みやさみ」に書き込みます。仕事が忙しかったからですが、元気です。
 「ブタのふところ」小泉吉宏(メディアファクトリー)は「ブッタとシッタカブッタ」の姉妹編第二弾である。私はこのシリーズを読み続けているが、この脱力系コミックは気に入っている。
 今回は「あたりまえのことをあたりまえと思うにも覚悟がいる」と帯に書いてある。
 私は第18章「イメージを演じる」が印象に残った。「課長は課長らしく、部長は部長らしく」と肩肘張って偉そうに演じることはとても疲れることだよね、という四コママンガである。

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2006/06/11

PLUTO 3

07162838 浦沢直樹の「PLUTO」第3巻が出た。
 手塚治虫の鉄腕アトムの中の「地上最大のロボット」を下敷きにした新たなイマジネーション。人とロボットが共存する社会で発生した恐怖。
 浦沢が描くアトムやウラン、さらに他のロボットの人間的表現に驚く。
 巨匠手塚治虫に挑戦できるのは、確かに今は浦沢直樹だけかもしれない。
 大きな意欲的な作品になる予感がある。だって、作品の序盤だけしか発表されていないのに、すでに文化庁芸術祭、手塚治虫文化賞を受賞している。

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2005/12/22

耳かきお蝶

07151507 コミック「耳かきお蝶」湯浅ヒトシ(双葉社)はストーリーの設定がユニークである。
 頃は江戸後期、耳かきを生業としているお蝶という女性がいた。このお蝶に耳かきをしてもらうと、誰もが極楽にいった気分になるという。
 登場人物もユニークである。
 特に侍の日向翔之進は最初フンドシ一丁で登場する。息子の蘭丸はこの父親の頭に常にしがみ付いており、ちょん髷と間違えられる。実はこの日向翔之進は秘剣の術の達人なのである。
 このコミックはこれらの可笑しさを味わう作品のようである。

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2005/12/04

ゾッチャの日常

07049220 「ゾッチャの日常」生藤由美(集英社)は単行本で7巻目まで出ている。
 猫についてのコミックは種類が多いけれど、これはそれなりに人気があるというので紹介する。
 猫を擬人化しすぎてストーリーを作っているが、猫のおもしろい生態もわかる。

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2005/11/24

コーヒーもう一杯

05-11-24_19-30 コーヒー好きには受けそうなコミックが「コーヒーもう一杯」山川直人(エンターブレイン)である。
 コーヒーを巡る短編集である。
 コーヒーの香りや苦みに似た情感溢れるストーリーが展開する。画の調子にも温もりを感じる。
 コーヒーの淹れ方についても物語の中で紹介してくれる。

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2005/08/03

キッパリ!

31409153 「キッパリ!(たった5分間で自分を変える方法)」(上大岡トメ著 幻冬舎)である。
 コミックのカテゴリーに入れてあるが、キッパリ生きる60項目のヒントがマンガでも表現されているユニークな本である。100万部以上売れたそうである。
 全ての項目を実行するなんて、愚の骨頂、自分が気に入ったものを選べばよい。
 因みに私が選んだのは次の3つであり、( )の中は私のコメントである。
 33番:ラッキーなことを数える (そういえば最近私はツイテイル)
 54番:レジの人に「お願いします」と言う (ちょっとした一言が大切)
 57番:嬉しいこと、感動した気持ちはどんどんまわりの人に伝える (この「みやさみ」やおしゃべりの中でどんどん伝えていこう)

 ところで、この「キッパリ!」は一昨日の「リラックマ」と同じく女性に受けているという。しかし、女性をどちらかに分類できるというのは「勝ち組」と「負け組」に分類するのと同様にあまりにも単純である。
 実際の女性は両方の要素を持っており、両方に共感する部分もあるし、両方に批判的な部分もある。男性だって同様である。

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2005/08/01

リラックマ

3135454930554415 「リラックマ」が流行っている。(左写真)
 どちらかというと女性に受けているようだ。
 以前、「タレパンダ」というのもあった。(右写真)
 どちらも、だらけている、癒し系である。
 男性は同じ癒し系でも「シッタカブッタ」くらいの理屈は欲しいかもしれない。(みやさみ3月4日記事)
 女性に受けていて、リラックマの対極にありそうな「キッパリ!」という本も読んでみたので、これはやがて紹介する。


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2005/07/19

ダーリンは外国人2

31347269 小栗左多里の「ダーリンは外国人2」(メディア・ファクトリー)は読み過ごしていたので、今回買って読んでみた。
 ダーリンの異邦人ぶりは今回も健在である。ダーリンのトニーのおもしろさは日本人が気づかないことをすらりと言い放つことである。「抜かれるなら……度肝がいいよね」(みんながうなずいたトニーの名言)等々である。
 トニーは日本人にとっては世界の見方を変える哲学者のようなものである。大体が哲学者とは異邦人と見られる存在であり、偉大な哲学者は地球人を越えて「異星人」とも呼ばれる。
 さて、この本は後半になるほど「夫婦」の話になっていく。相手が外国人ということを意識するより、お互いの個性の違いの方が大きく意識にのぼる。
 外国人だから戯画化され、拡大して見えるが、日本人同士の夫婦だって夫婦間の違いは永遠のテーマである。国籍の違いより個性の違いの方が大きい、というのがこの本の一つの結論である。また、どの夫婦もお互いの違いを楽しむのがいい、と述べている。

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2005/06/24

綿の国星

315383381604831461 「マンガ名作講義」(情報センター出版局)なるものを買ってきて、読みたいマンガを探そうとした。古典的なマンガを並べてあるので、8割くらいは読んであるものだった。
 その中で、未読で、おもしろそうに思えたのが、大島弓子さんの「綿の国星」(白水社文庫)である。読み始めると、特に猫好きはハマる。だから我家はハマる。
 人間になれると信じている猫、「チビ」。チビの回りにはうユニークな猫がいっぱいである。飼われている須和野家の人々も変わっている。
 ところで、大島弓子さん、病の方はいかがだろうか。心配である。

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2005/06/16

手塚治虫

921094128 「そうだったのか手塚治虫(天才が見抜いていた日本人の本質)」(中野晴行著 祥伝社新書)を読んだ。
 私は手塚治虫から宇宙、生命、人間、科学、ロボットなどについて学んだ。思想から感性にいたるまで、受けた影響は大であり、ほとんど私はその受け売り状態といってもよい。
 今回この新書を読んで感じたのは鉄腕アトムのようなテレビアニメから受ける印象とは異なり、手塚のマンガにはペシミスティックなストーリーの作品が多いということである。宇宙、人間などのテーマに真正面からぶつかっていき、結末は悲劇的になるものが初期の作品から数多くある。
 手塚は1989年、日本のバブル崩壊前に亡くなった。しかし、バブル後の日本人を予言するような作品も残している。すなわち、日本と日本人を歴史的にも宇宙的にも広く深く考えていた人なのである。

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2005/06/02

無 FOR SALE

31469069  「無 FOR SALE」(小田島等著 晶文社)を読んだ。
 「白紙」が多用されている。「無」とか「空白」というのは一度はやってみたい手法である。絵画でも、映像でも、音楽でも、文学でも、どの分野でもである。特に若い時、10代、20代くらいの時にこだわりたくなる。哲学的な問いにも繋がる。
 しかし、うまく料理してないと見る側は腹が立つ。単なる怠惰に見えるからである。
 遠く茫洋とした思い出がテーマの作品もある。「記憶」とは何か。記憶こそが自分か。記憶が薄れたら自分はなくなっていくのか。
 静かで妙にボーっとした感じの作品が続く。
 20代の作品群がいい。今回書き下ろしの30代の作品が内輪受けのようで一番つまらない。
 

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2005/05/27

黄色い本

07093247 手塚治虫賞を受賞した「黄色い本(ジャック・チボーという名の友人)」高野文子著 講談社 には感動した。
 「チボー家の人々」ロジェ・マルタン・デュ・ガール著の読書体験を描いたマンガである。
 本を読むことの素晴らしさをしみじみと感じさせてくれる作品である。日本という社会の日常生活も愛しみながら、それに埋没せず、異国・異質なものに共感できる同じ人間としての素晴らしさに感動する。
 主人公の女子高生が本の世界にすんなりと入れるのは何ともうらやましい。鋭く、豊かで、傷つきやすい、若い感受性を持っている。私自身の青春時代の感受性も思い出させてくれる。
 彼女の学生時代の宝物になる読書体験だろう。そして、この気持ちは社会人になってもきっと持ち続けられると思う。

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2005/05/16

PLUTO

07147297071381460824961807753587
 

  浦沢直樹の最新作「PLUTO」は手塚治虫作の鉄腕アトム「地上最大のロボット」を下敷きにしている。(一番左の写真:小学館発行)
 手塚治虫を自信を持って進化、発展させている。ストーリーの展開も、絵の構成も、キャラクターも浦沢ワールドを作り、深めているのが素晴らしい。まだ2巻目なのにわくわくする期待感が持てる。
 ロボットと人間の違いは何なのだろうか。アトムのような高度な人工知能を持ち、複雑な感情や夢まで見るというのでは両者に異なる点はあるのだろうか。

 浦沢作品は今まで写真にあるものを読んできた。PLUTOの左から、「20世紀少年」(連載中)、「MONSTER」、「MASTERキートン」である。どれも思わず引き込まれてしまうストーリー展開である。

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2005/05/10

ダーリンの頭ン中

3106730631501011 小栗左多里のダーリン本(メディアファクトリー)は写真の2冊を読んだ。
 語学ネタは我家の話題の定番である。
 外国人のダーリンから頻発されることばネタに対して、家族で笑っている。

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2005/04/28

毎日かあさん カニ母編

31350744 「毎日かあさん カニ母編」(西原理恵子著 毎日新聞社)を読んだ。
 文化庁メディア芸術祭賞(マンガ部門優秀賞)受賞もして、15万部以上売れている。
 西原理恵子の実話をネタにしている。小学生前の男の子と女の子の子育て、そして夫との離婚も描いている。ものすごくたくましく、エネルギーをたくさん持ったお母さんである。子どもたちはやんちゃで飛び跳ねている。
 今は数少なくなったと思われるが、昔はこんな親子は結構いたのである。西原が割烹着を着ているのも昔のお母さんに憧れているからか。
 カニ母とはカニが大好きで、子どもには食べさせないで自分だけが食べてしまう母親だということである。

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2005/03/04

シッタカブッタ

05-03-03_20-21 小泉吉宏さんのシッタカブッタシリーズ「ブッタとシッタカブッタ」①~③(メディアファクトリー)は以前読んでおもしろかった。その後「愛のシッタカブッタ」が出て、この「ブタのいどころ」である。(両方ともメディアファクトリーである)
 どれも競争社会に疲れた人間が読むと癒されるコミックである。

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2005/02/17

千利休

05-02-17_22-24「千利休」清原なつの著(本の雑誌社)は千利休を描いた漫画である。
私はかつて茶の湯をほんの少し齧ったことがある。
しかし、今は興味が離れてしまったところである。
利休の生きた時代は、日本の中世から近世に至る戦国時代である。この時代も私にはよくわからない。
この漫画自体は評価されているものである。

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2005/02/16

夕凪の街桜の国

05-02-16_21-02こうの史代著(双葉社) 原爆を扱った悲しく辛い、しかし明るさも見える漫画である。名作と言っていいだろう。
原爆を描いた「黒い雨」(井伏鱒二)を思い出す。
原爆ということではないが、女性漫画家ということでは、その味わいは高野文子の名作「黄色い本」を思い出す。
文化庁メディア芸術祭マンが部門大賞受賞であるが、そういうことにはこだわらず、お薦めしたい作品である。

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2005/01/22

マンガランキング

05-01-21_21-13
平成10年発行ダ・ヴィンチブックス発表名作マンガランキングによるとベスト10は以下のとおりである。
1.BANANA FISH 吉田秋生(左の写真の作品) 2.BLACK JACK 手塚治虫 3.ドラえもん 藤子・F・不二雄 4.ガラスの仮面 美内すずえ 5.ベルサイユのばら 池田理代子 6.火の鳥 手塚治虫 7.ポーの一族 萩尾望都 8.デビルマン 永井豪 9.日出処の天子 山岸涼子 10.あさきゆめみし 大和和紀
これに沿って全ての作品を読んだことがある。(ただし、ドラえもんだけは全ての巻を読んでいない)
全てよかったのだが、特に好きだったのは、まずは手塚治虫の2作品である。(どちらかと言うと火の鳥の方が好きである) さらに1位のBANANA FISH、4位のガラスの仮面には、はまった。(ガラスの仮面は笑ったり、泣いたり妙にのめり込んでしまう不思議な作品である)
10位以下では、13.動物のお医者さん 佐々木倫子 14.SLAM DUNK 井上雄彦 16.MASTERキートン 浦沢直樹 勝浦北星 17.風の谷のナウシカ 宮崎駿 20.銀河鉄道999 松本零士 がよかった。

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