幸福と人生の意味の哲学 ①
山口尚さん執筆の本である。副題は「なぜ私たちは生きていかねばならないのか」である。(トランスビュー発行)
教えられることはいくつかあった。
*ストア派の幸福論は幸福を個人の内面に押し込めることによってその実質を貧しくしてしまっている。
*人間がもつ〈一歩退く〉という知的能力
*物質と〈ただあるに過ぎないこと〉~世界は絶対的に無意味か
*意味は相当に主観的だが、それでも意味は完全には主観的だとは言えず、人間は物事の意味をいつでも恣意的に変更できるわけではない。
*あなたは世界を「何でもないもの」と呼ぶが、このように呼ぶことによって世界に〈何でもないもの〉という意味を与えている。
*人生の絶対的な無意味さを主張することによって、《そう主張しない人生よりも、そう主張する人生の方が有意味だ》という価値観にコミットしてしまっている。
*私たちはそれほど自由自在に改訂可能でない意味空間のうちに「投げ込まれて」いる。(被投性)
*《私たちがそのつど特定の価値観へコミットせざるをえないこと》と《私たちがどのような特定の価値観からも距離をとれること》の間の衝突は一種の馬鹿ばかしい状態を生み出している。 「真剣であることの避けがたさ」と「疑うことの逃れ難さ」 不条理
*アイロニーを伴った生き方~自分にとって「絶対的」と感じられる価値観の「相対性」を認めて生きること。
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