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2018/03/14

観光客の哲学①

861 東浩紀著で、「ゲンロン0」という位置づけである。(genron 2017年発行 )
 帯に、「『郵便的』から19年 集大成にして新展開」とある。東浩紀の著作を追ってきた者としてはありがたい本ではある。
 第1部は「観光客の哲学」である。第1章「観光」
*観光というと日本では、高度経済成長期からバブル期にかけての古い消費活動といった印象が強い。けれども実際にはそれは、21世紀のもっとも有望な成長産業のひとつなのである。
*政治は「まじめ」と「ふまじめ」の峻別なしには成立しないが、文学はその境界について思考することができる。この意味では本書は、文学的思考の政治思想への再導入の必要性を訴える本でもある。観光客とは、政治と文学のどちらにもおらず、またどちらにもいる存在の名称である。

付論「二次創作」
*現代においては、作品の内部(作品そのもの)と外部(消費環境)を切り離し、前者だけを対象として「純粋な」批評や研究を行うという態度、それそのものが成立しない。(環境分析的読解の必要性)
*21世紀のポストモダンあるいは再帰的近代の世界においては、二次創作の可能性を織り込むことなしにはだれも原作を作れず、観光客の視線を織り込むことなしにはだれもコミュニティがつくれない。
*二次創作者はコンテンツの世界での観光客である。裏返して言えば、観光客とは現実の二次創作者なのだ。

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