« スターウォーズ 最後のジェダイ | トップページ | パトリオット・デイ »

2018/01/05

中動態の世界

843 『中動態の世界』意志と責任の考古学(國分功一郎著、医学書院)は意欲的な本である。

 我々が当たり前のように慣れ親しんでいる、「能動ー受動」(主体ー客体)の対立図式では、漏れてしまうものがある。不幸を招いている場合もある。
 そこには過去を切断した「意志」が想定されており、行為の「責任」の問題が存在する。責任がないと、社会関係がうまく築けないという面もあるが、そこには暴力的な働きかけの問題も含んでいる。

 「能動ー受動」の対立図式へのアンチとして、はるか古代にあった「中動態」なるものをこの本はクローズアップさせている。
 能動態は動作が主語から外に向けて行われるのに対して、中動態は動作が主語へ向けて行われる。中動態は、自分に対する動作や動作の結果が自分の利害に関連する場合などに使われる。
 「能動と受動の対立においては、するかされるかが問題になるのだった。それに対して、能動と中動の対立においては、主語が過程の外にあるのか内にあるかが問題になる。」

 この話は、現在、中動態なるものが身近にはないので、それほどインパクトがないかもしれない。しかし、認識はしておくものではあるだろう。
 この認識が自らが日々選択しているものの意味や背景を理解させる。これができるのが人間の自由というものかもしれない。

|

« スターウォーズ 最後のジェダイ | トップページ | パトリオット・デイ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/66753/66244780

この記事へのトラックバック一覧です: 中動態の世界:

« スターウォーズ 最後のジェダイ | トップページ | パトリオット・デイ »