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2017/07/24

騎士団長殺し

806 村上春樹の新作、第1部 顕れるイデア編、第2部 遷ろうメタファー編 をやっと読み終えた。(新潮社)
 イデアとメタファー、謎が謎を呼ぶ。そこが面白いのだが、終わらない、片付かない。村上春樹だから許されるところって、ありそうだ。うまいんだよね。
 『ねじまき鳥クロニクル』に繋がるものは感じる。

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2017/07/18

白痴

805 坂口安吾の1946年(昭和21年)に書かれたということで、とても意義のある作品である。(新潮文庫)
 その少し前に書かれた『堕落論』と併せて読む作品とも言える。
 国家によって作られた理想・理念など、虚しい美しさである。人間の本能・本性にまで堕落せよ、生きよ。そこから自らの理想・理念が生まれてくる。
 これは今にも通ずる。だから私は共感する。

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2017/07/13

22年目の告白~私が殺人犯です~

804 韓国映画「殺人の告白」を下敷きにしているせいか、ストーリー・脚本がしっかりしていて、面白い。
 2つの怖さが背景にある。
 メディアの怖さ、マスコミもSNSも。それと戦争の怖さ。どちらも描かれている。だから話に重みを感じる。

 だけど、サスペンスというのはそれなりの登場人物の中に真犯人がいる。その方が観客・読者は頭をあまり使わなくて楽だし、納得もしやすい。
 現実社会では、登場人物を限定できないからこそ、非常に難しいのだが……。

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2017/07/11

哲学のすすめ②

803 宗教ではない、科学ではない、哲学を素直に大事にしたい、すすめたい。哲学が好きな私もそう思う。 (写真は著者の岩崎武雄さん)

*学問の客観性とは、すべての人が承認すべき根拠をもっているということに外なりません。
*哲学は時代とともに変化しているのです。そしてこの変化は、人間が哲学に対して客観性を与えようとしたその努力の結果なのではないでしょうか。
*人間が自分の認識能力が有限的なものであるということを知ることによって、自然科学が成立したといえるのではないでしょうか。
*基本的人権は、けっして人間が事実としてもっているものではありません。それは、人間の生命の絶対性(かけがえのない人間の生命)を認めるという価値判断の基礎の上に、はじめて成り立つものです。そうすれば、人権の主張は同時に他人の人権を重んずるという義務を伴うはすです。

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2017/07/10

哲学のすすめ①

802 1966年発行だから、もう50年以上読み継がれている。東大名誉教授だった岩崎武雄さんの名著である。(講談社現代新書の66番である。)
 岩崎さんの哲学を信じ、力強く哲学をすすめるこの熱い思い、これが伝わってくる。この素朴さは尊い!?(それでは今はいったい何なんだ!)

*哲学は「驚き」にではなく、もっと深く「生きる」ということに根ざしているのです。「生きる」ための必要上、哲学はどうしてもて生じてこなければならないのです。
*「原理的な価値判断」と、「具体的な事物についての価値判断」の、この2種類の価値判断の区別は、はっきりさせておかなければなりません。
*わたくしはむしろ、「幸福」をなんと考えるかということが、その人の哲学によってきまるのだと思うのです。
*生き方の相違は、その人がなにを幸福と考えるかによって異なってくるといえるのではないでしょうか。人間が常に幸福を求めるものであるとすれば、人間の生き方の相違は、幸福をなんと考えるかによって生じてくると考える外はないからです。

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2017/07/09

対話と人間関係

14 第59回人生カフェは平成29年7月8日(土)、13名(男性4名、女性9名)の参加によって実施された。
 今回は岩崎博明さんが進行役(ファシリテーター)だった。机を使わず、全員が椅子に輪になって座り、コミュニティボールを使いながら対話をした。今回は途中2回の休憩を挟みながら、最初から最後まで、このスタイルで実施した。
 テーマは「対話と人間関係」であった。

 まずは、「対話」と「会話」の違い、また、「おしゃべり」との違い、さらに「議論」との違いなどが話し合われた。
 対話とは、哲学カフェなどでよく使われる言葉ということからして、主に理性を使って、ひとつのテーマについて、考えや価値観が異なる者同士が集まって話をするというイメージがある。これと対比すると、会話は、感情面も多く含まれ、特に明確なテーマもなく(話題は絶えず変化していく)、どちらかというと同じようなタイプの者が集まって話をするというイメージがある。
 対話とは、哲学カフェでの意味合いも超えて捉えると、お互いが言葉を通して理解し合うことであるとも言える。
 それで、そのような対話は人間関係とどのような関係にあるだろうか?一般に対話は人間関係を良くしていくというように考えられていると思われるが、果たしてそうだろうか?
 お互いを理解しようと努力していくのだから、対話というのは人間関係を悪くしていくようには思われないが、必ずしも人間関係を濃く、太く、良くしていくとは限らないのではないか。
 相手を理解していくことによって、相手とのパーソナル・スペースや相手との境界線(バウンダリー)がよく見えてくる。これによって、人間関係が促進されることもあれば、逆に、相手と距離を置いたり、場合によっては相手との関係を断つこともある。

 対話は、1対1のような関係の場合もあれば、1対多のような関係の場合(一般の哲学カフェがそうである)もある。これを同じように対話と捉える意義は何だろうか。
 どうもポイントは自分の方にありそうである。自分の心の開き具合(オープン度)、自分の他者への見方や姿勢、自分に対する捉え方の変化などが対話の質を変えていく。それは大きく捉えれば、自分対他者の関係であり、あとは他者の方の数が1,2,3、…と変化していくだけともいえる。(もちろん、他人も生身の人間であり、それぞれ個性があるのは当然ではあるが)

 最後に、参加者各自から、気づいたことや新たな問い、感想などを発表してもらって、閉会した。

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2017/07/05

あなたの人生が変わる対話術④

801 この本で泉谷さんが最も言いたかったところにあたる最終章は、「第5章 対話するという生き方」である。

*他人は自分の一部分や道具や対象ではない。(これはマルティン・ブーバー(写真)も言っていることである。)
*他者の孤独と独立性を尊重する態度から生まれるのが愛である。愛とは、「相手が相手らしく幸せになることを喜ぶ気持ち」と定義できる。
*愛が「孤独」を前提にしているのに対して、欲望は「依存」をベースにしている。
*人は「愛すること」しかできないのであって、相手から愛されるかどうかは、相手という独立した「他者」が自由に決めることである。
*「他者」は独立している。「他者」は何かを強要されることを嫌う。「他者」は、ひたすらに耳を傾けてもらうこと、つまり「聴いてもらうこと」によって、自発的なものを表出してくる。
*「対話」する生き方とは、すなわち、「他者」との真の「経験」を求めて、愛に生きることを選ぶ生き方にほかならない。

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2017/07/04

あなたの人生が変わる対話術③

Images148 著者の泉谷さんの人間に対する見方は図のようである。これらを踏まえて、第4章「「ムラ的」コミュニケーションから「対話」へ」も書かれている。

*言葉というものは、人によって多種多様な考え方がありうるということを前提にして存在している。つまり、言葉は「対話」のために存在している。
*「ロゴス」としての言葉とは、その人が理性を働かせて、なんらかの意見を「他者」に向かって差し出すものだと言える。そして、その言葉は重みをもっていると同時に、かならずしも「普遍的真理」を述べているわけではないという、ある種の謙虚さをあわせ持ったものである。
*「二人称関係」の世界に棲んでいる人が用いるモノローグという「鳴き声としての言葉」と、「他者」とのコミュニケーションや共同思考を必要と考え「対話」(ダイアローグ)する人の「ロゴスとしての言葉」とは、その重みも用途も異なっているまったくの別物である。

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2017/07/03

あなたの人生が変わる対話術②

800 著者の泉谷閑示さん(写真)は精神科医である。
 職業(プロ)として、お金をもらって、患者さんの治療にあたっている。必要な訓練を受け、経験も豊富である。治療環境も整備されている。その上で、人の話を聴くことに重点を置いている。
 そういうことでいえば、我々のような一般人(素人)とは異なる面も多い。しかし、泉谷さんが第2章「対話の技法」で述べていることは我々にも示唆に富む内容である。

*「理解」と「同意」を切り分ける。
*人は日々刻々と変化する存在である。
*意図が見える質問は伝わりやすい。
*アドバイスが相手を弱くする。

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2017/07/02

あなたの人生が変わる対話術①

799 精神科医である泉谷閑示さんの本で、哲学カフェ・哲学対話における対話を考えていく上で、とても参考になった。(講談社+α文庫)
 第1章は「対話とは何か」である。
*dialog(ue)はギリシア語を語源としたもので、「言葉(理性、論理)を介して(通して)」といった意味である。
*4つの前提
①相手を「他者」として見ることから「対話」は始まる。
②対話は、「他者」を知りたいと思うことから始まる。
③対話は、お互いが変化することを目標とする。
④対話において、話し手と聴き手に上下関係はない。

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