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2014/02/28

心の力

222 姜尚中さんの最新の新書である。(集英社新書)
 漱石の『こころ』と、トーマス・マンの『魔の山』との、約百年前の2作品を手掛かりにして考えていく。これは面白い着眼点である。
 印象に残ったところをいくつか。
 「物語人生論」について。
*心は、自分が何者であり、自分がこれまでどんな人生を歩んできたのか、「そして、それから」どう生きようとするのかという、自分なりの自己理解と密接に結びついている。その意味で、心は、人生に意味を与える「物語」においてのみ、理解可能である。
 『こころ』の主題は。
*漱石は変わりゆく社会の中で置き去りにされる人々の心を書こうとした。
 「団塊の世代」に対する厳しい見方。
*彼らがやりたかったことは考え抜かれた個人主義でもなく、透徹した左翼の思想でもなく、ただ「自分」というものを自在に跋扈させたいという、移り気な自分中心主義でしかなかった。
 「語り継ぐ」ということ。
*語り継ぐということは、敷衍して言えば、一人ひとりの死を無駄にしないことである。

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