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2013/12/14

富嶽百景

10 太宰治の『富嶽百景』を再読する。
 作中の「私」にしろ、太宰にしろ、感受性が過剰である。苦悩を自負している。インテリ的な上からの同情心を持っている。
 魅かれる人物なのだが、親戚にはしたくない人物である。
 この小説は私小説的に作ってあるものだが、結婚へと向かっていった当時を反映して、他の太宰の作品の暗いイメージとは異なり、全体的に希望を伴った明るさがある。太宰の中では私が最も好きな作品である。
 エピソードが十数件連なっていく。一つ一つのエピソードに山があり、落ちもある。この上り下りが読んでいて気持ちがいい。
 私の好きなエピソードは、天下茶屋の15歳の娘さんとのやりとり、三ツ峠茶屋のおじいさん・おばあさんの思いやり、甲府でのお見合い相手との場面などである。
 「富士には、月見草がよく似合う」という有名な一節がある。
 私は、「富士には、ヒキガエルがよく似合う」と作った。その意図は、富士と対峙できる存在をもってきたかったというものである。

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