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2013/07/13

幸福の文法①

117 アランについての著書もある合田正人さんの本なので、買って読んだ。(河出ブックス)
 合田さん自身の学習ノートのような断片的な記述が多くて、正直読みにくい。合田さんの迷いや思考の格闘が盛り込まれているのだろう。
 印象に残ったところを掲げておく。
*「幸福」は私秘性、特異性の最たるものであるが、公共性の最たるもの(「憲法」などを指す)に書き込まれてもいる。
*幸福の古代ギリシア語、アリストテレスなどが使うのは「エウダイモニア」である。「エウ」は英語のwellに当たる。「ダイモニア」は「ダイモン」(魔、霊)のことである。……神ないし宇宙が人間を包んでいるのに対して、ダイモンは、世間の喧騒の中にではなく、この私の「内部」に住まっている。
*「中庸」は、中間に位置する最善のものであるという意味では、「頂点」でもある。
*ヒルティが記している。「ストア哲学の注目すべき人物の中で、最も興味あるのは、皇帝マルクス・アウレリウスと奴隷エピクテトスである。彼らが特に興味ある人物だというのは、両人がひどく違った境遇においても等しく哲学の効果を示しているばかりでなく、彼らの見解を述べた真に味わうべき独自の文章が、彼らの手で残されているからである。」 ラッセルも「すべての哲学的問題で二人が一致しているのは驚きだ」と書いている。
*「コナトゥス」とは、通常「努力」と訳しているが、デカルトのいう「高邁」と同様、傲慢でも卑下でもない自己の限界がどこにあるのかの果てのない探求を意味する。……自然の中での自己の特異な位置を知ろうとする心身を賭けての「試行」である。

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