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2013/03/06

おどろきの中国③

Imagescacyfrfk (写真は大澤真幸さん)
 第2部のテーマは、「近代中国と毛沢東の謎」である。
*中国の社会構造は、上は政治秩序、下は家族秩序による。
*儒教は民族的ではない。多文化多民族な集団を、共通のフォーマットに従わせるための普遍的な原理原則である。ナショナル・アイデンティティをむしろ無化する作用がある。
*中国人に国民意識を注入しなくてはならないという使命感は、孫文にはあった。
*中国にとって、マルクス主義はいわば、天の代替物である。
*マルクス主義を下敷きに、中国流の革命を進めるのが「毛沢東思想」である。普遍主義と中国の独自性とが混ざった毛沢東思想に導かれ、中国共産党が革命を進めるというかたちで、中国のナショナリズムが完成した。政治の主導によって、「中国の革命」が課題として設定され、それを担う主体として、「中国人民」が生み出された。
*政府の組織と党の組織は一致していない。政府が世俗の組織だとすると、党はそれを超えた、教会みたいなレベルにある。
*軍における「政治委員/司令官」という二重性と、一般の組織の「書記/長」の二重性が対応している。(前者の党のポストの方が上である。)
*「指導部が正しい」という前提がドグマ(教義)である。……改革開放が可能だったのはなぜかというと、毛沢東思想に、すでにこういう政治的プラグマティズムがあったからである。
*毛沢東は皇帝か?イエスであり、ノーである。……毛沢東が号令して、一般大衆に、政治参加を呼びかけた。これは皇帝が決してやらなかったことである。大衆の政治運動が可能になって、中国の人々全員を政治の主体として登場させたことが、毛沢東の最大の業績である。
*毛沢東という人は、伝統の拘束力から自由であった。徹底的に世俗的な利己主義にもとづく合理主義がある。……毛沢東は共産党を残したが、奥さんや子どもにとても冷たく、王朝を残さなかった。
*神と違って、天は人格がない。最後の審判もない。天命によって統治権力をある人に与えたあと、チェックがない。契約でなくて、丸投げである。……そこで、政治権力者としてふるまうというパフォーマンスをやり続けるのが自己正当化になる。
*経済が政治に従属するのは、中国の深い伝統で、二千二百年前から今まで、ずっとそうである。
*文化大革命が、いったん伝統を無化してしまい、更地のようなものを作ったおかげで、今日の改革開放も可能になった。
*天と天子をもっているというシステムというのが、中華帝国においては一番執拗に残る。

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