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2013/01/30

やりなおし高校世界史①

14 大学入試問題から、高校の世界史を学びなおそうという、ユニークな本である。(津野田興一著、ちくま新書)
 1997年の東大入試問題。「20世紀の民族運動の展開を考える際、第一次世界大戦の前後の時期は大きな意味を持っている。この時期には…独立国家も生まれたが、未解決の問題も多く残った。それは、現代世界の民族と国家をめぐる紛争の原因ともなった。こうした旧来の帝国の解体の経過とその後の状況について、述べよ。」
 これは、現在を考える上での良問である。現代世界の民族と国家をめぐる紛争の原点が、第一次世界大戦期の戦後処理の問題にあったことが分かるのである。
 ここで言う旧来の帝国とは、清朝、ロシア帝国、オーストリア=ハンガリー二重帝国、オスマン帝国の4大帝国である。
 清朝、ロシア帝国は革命によって倒され、オーストリア=ハンガリー二重帝国、オスマン帝国は第一次世界大戦に敗北する中で解体・崩壊した。
 前二者は、主体的に体制変革を行い、帝政時代の広大な領土や異民族の多くをそのまま統治し続けた。後二者は、他律的に帝国を解体させられ、帝政時代の領土や異民族のほとんどまるごと失い、意図せざる結果として、ドイツ人とトルコ人の国民国家が出来上がった。
 その後の状況と残された問題を列挙する。
 清朝解体後、外モンゴルは独立するが、内モンゴルは残り、チベット問題に発展する。
 ロシア帝国解体後、バルト三国、ポーランドは独立するが、ウクライナ、チェチェン、中央アジア諸民族は残る。
 オーストリア=ハンガリー二重帝国解体後、ハンガリー、ユーゴスラヴィア、チェコスロヴァキアは独立するが、少数民族を抱えて、国民国家建設は困難になる。
 オスマン帝国の解体は、パレスチナ問題の淵源になる。

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