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2010/10/15

リチャード・ローティ

7ns_32314917 「リチャード・ローティ」(リベラル・アイロニストの思想 1931-2007)(藤原書店)である。
 若手研究者「大賀祐樹」(1980年生まれ)さんが、ローティの概要を分かりやすくまとめてくれた、いい入門書である。
 ドイツ・フランスの哲学のように、難解っぽくないし、深遠っぽくもない。アメリカナイズされた日本では、ある意味穏当で合っている思想とも言える。
 ローティの変遷、「認識論的転回→言語論的転回→解釈学的転回→物語論的転回」についてもよく分かる。このローティが到達した物語論的転回は、「否定・絶望」から「肯定・希望」への転回でもあり、この点もプラグマティズム的な明るさがあり、私は共感する。
 「リベラル・アイロニスト」とは、「ミルの仮面をかぶったニーチェ」とも言われている。
 「公」の面はリベラルである。ただし、その自由は偶然性の承認と見る。政治的・社会的なものであり、哲学的に基礎づけることは不可能であるとともに、同時に不要でもある。
 どうあがいても、自文化中心主義(エスノセントリズム)から逃れられないことを自覚し、「残酷さ」と「苦痛」の減少というミニマムな原則を守っていくことが説かれる。
 「私」の面は、アイロニストである。これは構築的・体系的ではなく、治療的・啓発的なものである。「私」はまさにその人の個人のものである。個人の趣味・嗜好も含まれる。
 この「公」と「私」を区別するのが、ローティの思想の特徴であり、議論のあるところでもある。「公」はバザールのようなもの、「私」はクラブのようなものといった言い方もされる。そして、「公」である政治と、「私」である哲学は区別される。
 この二分法は、確かに私を精神的に楽にしてくれる、楽天的な調整法である。

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コメント

 ローティは、超えなければなりません。

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    一般法則論者

投稿: 一般法則論者 | 2010/10/17 午後 04時07分

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