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2010/01/17

世界を知る力

7andy_32356564 多摩大学長にもなった寺島実郎さんの新書である。
 確かに広い視野を持っている。それは地球全体の空間的視野だけでなく、むしろ過去の歴史から見ていくという時間的にも広い視点である。
 例えば、「アメリカを通じてしか世界を見なくなった戦後日本人」というような指摘がなされる。
 そのアメリカであるが、1990年代にアメリカ主導によって、IT革命とグローバリゼーションが進んだ。00年代はブッシュ政権のもとで、9.11、イラク戦争やサブプライムローン問題などが起こり、低迷した。このような中で、オバマ大統領が誕生し、グリーン・ニューディール政策(太陽、風力、バイオマスなどの利用)などが進められている。新たな形の大国になる可能性がある。
 もう一つの大国になりそうなのが中国である。その中国を見るときは、台湾、香港、シンガポールなどを含んだ大中華圏として見ないといけないと寺島さんは言う。中国自身はあまり容認していないが、今後アメリカと中国、G2体制といったものが前面に出てくるかもしれない。(ここで私は30年前の1980年に中国に3週間青年交流として派遣されたことを思い出した。あの当時とは隔世の感である。)
 米中の2大国以外に、この本で多く取り上げられているのが、ユダヤネットワークである。世界各地に住んでいるユダヤ人たちは国際主義と高付加価値主義(だから高い学歴とキャリアを積む)に貫かれていると言う。
 歴史を作ってきた5人のユダヤ人の話。テーマは「人間の行動を本質的に規定するものは何か」。モーセは「理性」、キリストは「愛」、マルクスは「経済」、フロイトは「性」と言う。最後の5人目のアインシュタインは何と言ったか?
 さて、これから分散型ネットワーク社会になるだろう世界の中で、日本はどうなるのだ。
 最近、日本人は内向き志向が強まっていると言う。しかし、日本は東アジアの中での役割はたいへん大きいと言える。また、日本は、ものづくりへのこだわり、技術への敬愛が従来からの特長であり、この面を伸ばしていくことが大切であると寺島さんは強調する。

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