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2010/01/05

親鸞 (上)

7andy_r0457242 五木寛之作「親鸞」をお正月中に読破できたのはよかった。
 この物語は大きく2つの面を持っている。一つは若者の冒険活劇のような面である。もう一つは後の親鸞の教え(信仰・哲学・思想のようなもの)に繋がる面である。
 今日は前者の方を書いておく。
 とにかく面白い活劇になっている。特に男性の目から見ると、山あり谷ありの冒険ドラマとして楽しく読める。荒唐無稽と言っていいようなストーリーのところもある。
 登場人物が魅力的である。元関東武者の河原坊浄寛、白河印地の党の頭であるツブテの弥七、呑ん兵衛だが、比叡山で修行したこともある法螺房弁才、そして召使いの犬丸は荒くれ男達であるが、少年・青年時代の親鸞を陰日なたに助ける。さらに、女性の玉虫や紫野(後の恵信で親鸞の妻になる)も親鸞を取り巻く女性として魅力的に描かれる。恵信とともに生きる親鸞は実に幸せそうである。
 あと歴史上にも名を留める後白河法皇は面白い人物である。今様(現代で言えば歌謡曲)で、世を治めようとしているのか、現代日本で言えば、紅白歌合戦のような盛大な催しまで行う。現実に起きている激しい政争とのズレが何とも奇天烈である。
 五木寛之のエンターテイナーぶりは見事である。読む者を飽きさせないために、大仕掛けのストーリー展開も作ってくれる。そして、激動の青春の物語ならば、それも許されるような気がする。

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