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2009/12/23

新参者

7andy_32307269 主人公の加賀恭一郎は30代、日本橋署に着任間もない、この街では新参者の刑事である。
 いい男だ!カッコいい。人情味がある。爽やかな読後感を誘う。
 日本橋のそれぞれのお店の、家族の秘められたエピソードが続く。その隠され方がうまいから、読む者をぐいぐいと引き付ける。その秘め事が事件を複雑にしていくのだが、その中にその人たちの人生があり、優しさや思いやりが隠されている。その秘密の中の優しさをそっと伝えてあげる役割を加賀刑事が担う。この彼の暖かい行為が我々の胸を打つ。
 それぞれの家族の物語でもある。若いカップルも、年配の家族も、3世代家族も、これから子供が生まれようとしている家族も、離婚後も家族を求めている者たちも……、様々な家族が登場し、人情に溢れている。
 江戸や古い東京の面影を残す日本橋の街や小さなお店が多く登場するのも魅力である。街を散策しているような楽しみがある。
 このように日本橋のお店とそこを巡る家族を中心にした人間模様が描かれていく、この物語構成は見事だ。語り口もうまい。人情味に溢れた傑作である。(面白いテレビドラマになりそうだ。)
 東野圭吾の作品は好きで、今までに、「秘密」「白夜行」「容疑者Xの献身」「流星の絆」などを読んできて、映画で「手紙」を見た。どれも単なるミステリーというだけでなく、心の細かい襞を描くので共感してきた。

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