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2009/09/20

骸骨ビルの庭

7andy_322663887andy_32266390 野坂昭如の「火垂の墓」が描いたのと同じ時代、戦争孤児や親に捨てられた孤児がたくさんいた時代である。人が容易には生きのびられない時代である。
 作者の宮本輝さんは団塊の世代として、戦後の貧しさ、純粋さを語り継いでいこうという姿勢を持っている。貧しさに対する暖かく深い共感と同情を持っている。これは「泥の河」以来であり、素晴らしいことである。
 私の育った家は戦後の貧しい時期から子どもを生み(団塊の世代となった)、両親は我々を育ててくれた。
 この小説にあるように、子どもたちの幸せを願い続ける、それが親の心情である。これが分かると、子どもは自然に感謝の気持ちになる。

 仕事に埋没しない、「大きく生きる」ということがこの小説では示される。それも観念的でなく、具体的な生活や具体的な人との関係の中で見出される。
 また、この小説では、畑、作物、料理等々、食べ物に対する愛情がたくさん感じられる。

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