重力ピエロ
伊坂幸太郎のものでは予想外に今までで一番面白かった。家族ものだったから私が好きだというのもある。
しかし、いつもながら、仕掛け・布石にこだわり過ぎている感はある。二重らせんのDNA、遺伝子、ひとゲノム、路上壁アート、そして放火へと続くからみは計算尽くされているが、少々凝り過ぎの面もある。
私くらいの年齢になると、もっとストレートに家族愛を打ち出してもいいような気がする。どうしても作りこんでしまうサービス精神が伊坂幸太郎的なところである。
遺伝と環境、そして遺伝より環境、それが家族の愛を育み、最強の家族を作る。感動的ではあるが、いささかステレオタイプのようでもある。悪人も作りすぎているようにも思う。
感心したのは、法律や裁判などは人間社会の単なる決まりごとと捉え、それよりも大事なものがあると思えることである。私もそのように思える年齢である。何が大事かも段々と分かってくる。
脇役で登場するストーカーの夏子さんはいい味出しているなぁ。
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