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2009/01/26

自壊する帝国

7andy_32130209 「国家の罠」に続いて、佐藤優氏の「自壊する帝国」を読んだ。「自壊する帝国」の方は、ソ連帝国の崩壊を若き外交官(しかも特異で精力的な外交官)の目から描いているものである。
 この2冊で佐藤氏は出版・論壇の寵児になった。その後もインパクトある著作を連発しているので、この短期間に出版界で地位を確立したと言っていいだろう。
 佐藤氏の本を読むと、組織と個人ということを考えさせられる。組織人(サラリーマン、官僚など)の上下関係の中での悲哀を感じさせる場面も描いている。しかし、外務省という組織に対して、筆の力などで敢然と立ち向かう佐藤氏の姿勢が前面に出ていて、それが痛快でもある。
 外務省事務次官の名前は忘れられても、佐藤氏の名前は記憶に残るだろう。佐藤氏のような「怪物」を取り入れた外務省、佐藤氏がいなかった方が組織としてはうまくいっていたかもしれないと思っているのではないか。
 とにかく佐藤氏は組織を超えた大人物であり、それは何よりも組織を超えたチャンネルを多様に、しかも分厚く持っていたことによる。
 佐藤氏は多くの人脈の中で情報を集めていく。出会った人間の中で、特に自分と波長が合った人間を大事にしていく。政治状況に対してうまく立ち回るテクノクラート(官僚)より、信念をもっている人物(政治家など)を大切にする。その人物が転落・失脚したとしても、一度築いた関係は大切にする。誠実さも感じられるのである。
 佐藤氏はソ連の崩壊という大きな歴史を内側から見た。その歴史のうねりの中で闘争しあう人物たちとも接触していた。修羅場をくぐってきたのである。そのような経験からすると、日本の政治闘争というのは小さく見えるかもしれない。日本の国策捜査などは低い次元の話かもしれない。
 いずれにせよ、この本を読んでいると、日本は小国であることを自覚する。当たり前に、アメリカ、ロシア、中国からすると小国である。経済的には大国ともやがて言ってられなくなるかもしれない。
 佐藤氏の著作で面白いのは食べ物、飲み物の描写が多いということである。細かく記憶していることに驚くとともにおいしそうに書かれてあるのに感心する。
 あと、ネコ好きであるので、我が家では受けそうである。

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