2017/12/13

与謝野晶子

839838 『日本近代思想エッセンス ちくま近代評論選』(筑摩書房)を読んだ。
 明治時代は、福沢諭吉、北村透谷、樋口一葉など11人、大正時代は、武者小路実篤、平塚らいてう、斎藤茂吉など7人、昭和の戦前・戦中は、谷崎潤一郎、芥川龍之介、久米正雄など9人、昭和の戦後は、宮本百合子、福田恆存、鶴見俊輔など10人の文章が取り上げられてある。
 この中で印象に残ったのは、与謝野晶子『母性偏重を排す』、中野好夫『悪人礼賛』、大森荘蔵『真実の百面相』である。

 とりわけ感銘を受けたのは、与謝野晶子の『母性偏重を排す』である。
 あの時代に、こんなに先駆的な思想を持ち、それは現代をも照らしている。
 世の中の人間(女性も同じ)は、バラエティに富んでいる。ひとりの人間を見ても時々刻々と変化する。多数派の論理で押し切るな!少数派を蔑ろにするな!
 結婚に向かない、望まない女性はいる。子どもを産むことに向かない、望まない女性もいる。そのような人たちも幸せになっている。
 多数派の論理より、それぞれの生身の現実の生活がある。それが優先されることがらである。
 男女ともに「人類の幸福の増加」を望んでいるという面では同等である。その上に各自の個性が多様に花開く。
 これらの論をまさに与謝野晶子は展開しており、それはとても力強い。これより後戻りしてはいけないような正当な論であり、壁になってくれている。
 素晴らしい!私は感動した。

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2017/12/12

マイケル・K

836 J.M.クッツェー作、くぼたのぞみ訳、岩波文庫である。
 世界文学としての傑作である。クッツェーはノーベル文学賞受賞者である。
 主人公マイケル・Kは自らのモラルに従っている。
 自分が生きること、その生き方を自ら選んでいる。それは自由だ。
 庭師として、大地に生きている。大地に生かされ、大地に死のうとしている。

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2017/12/08

ワンダーウーマン

835 第一次世界大戦時に時代設定したのは面白い。
 しかし、ワンダーウーマンに殺される独軍の兵士は何なんだ。かわいそう!

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2017/11/26

ラブ・アクチュアリー

834 2003年のこの映画を再び見た。クリスマスシーズンにふさわしい心温まる映画だ。
 19人の男女の群像劇が素晴らしい。それぞれの人物の物語がどこかで繋がっていたりして、面白い。
 19人が多彩で絶妙な組み合わせがそこにある。
 空港での愛の表現は人を感動させる。
 役者が揃っている。その後の活躍がめざましい人たちもいる。リチャード・カーティス監督の采配は見事である。制作側の楽しさ、暖かさも伝わってくる。

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2017/11/25

5人会(平成29年11月)

Img_0427 5人会は、最近は3カ月に1度のペースで開催している。
 今回は、紅葉の小石川後楽園(写真)に行ったり、その近くにある友人の会計事務所を急遽訪ねたりと、面白いプログラムも加わった。
 私は前回の5人会からの3カ月間に活動したことなどをカレンダーにして発表した。人生カフェや他の哲学カフェに参加したこと、映画、ラーメン、ヨーガ、読書などの活動の記録である。改めてカレンダーにしてみると、それなりにいろいろやっていることが分かる。
 このカレンダーを作ることによって、これら活動の背景にあるものが浮かび上がってきた。それは、仕事であり、家庭であり、健康のことである。これらは活動を支えるものであり、活動のエネルギー源になっている。また、仕事、家庭、健康そのものに大いに価値があるものである。

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2017/11/24

スティル・クレイジー

833 私にはロックやロックバンドの世界はよく分からないし、あまり共感はできない。
 しかし、これは話としては面白く作られてある。
 ビル・ナイがいい味を出し始めた頃の作品である。(1998年作品)

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2017/11/23

人生はシネマティック!

832 才能のある女性の仕事への奮闘ぶりが描かれる。
 男の方は影が薄い。夫にしろ、仕事仲間にしろ…。可哀想な気もしてくる。
 女性監督による女性のための映画である。
 ビル・ナイがいい。歌もうまい。私もビル・ナイのような存在になりたい。

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2017/11/20

ラストレシピ 麒麟の舌の記憶

831 なかなかに感動的ないい映画だった。ストーリーもよくできている。(原作がいいのか?)
 昭和の初めの頃の、日本による満州国の設立、何と愚かなことだったのか!大きな悲劇をたくさん生んだ。このことを強く感じた。

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2017/11/17

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー 2

830 肩の凝らない、楽しい映画だった。
 今回は、「家族」がテーマにもなっている。

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2017/11/16

我武者羅 カネキッチン かしわぎ

Img_0410Img_0414Img_0415 比較的新しいお店で、がんばっているところを訪ねてみた。
左写真:代々木「生姜醤油専門 我武者羅」ラーメン 11月4日 生姜が効いた醤油のすっきりした味は好きである。体が温まる。
中写真:東長崎「カネキッチン・ヌードル」味玉醤油らぁめん 11月12日 スープはすっきり醤油味でおいしい。麺との相性もいい。ざっくりとした感じの具材の並べ方も確かにいい。とにかく行列店になっていた。
右写真:東中野「ラーメン かしわぎ」塩ラーメン 11月16日 シンプルな塩ラーメン、おいしい!丁寧にきれいに作ってくれた。これはうれしい。地元のお客で行列店になっていた。

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2017/11/15

めん吉 六厘舎 とみ田

Img_0397Img_0398Img_0403 この2つのつけ麺は最高だね!
左写真:大久保公園「らぁめん めん吉」北海道函館の黄金塩らぁめん 10月11日 ちょっとパンチ力が……。
中写真:大崎「六厘舎」つけめん(小) 10月21日 私の好きなつけ麺である。さすがである。つけ汁が、麺とよく合って、実にうまい。スープ割りももちろんいい。
右写真:大久保公園「中華蕎麦 とみ田」つけ麺、塩チャーシュー、煮玉子 10月30日 さすがとみ田!ここ大久保公園で食べられて幸せ!つけ汁最高、麺もいい。チャーシュー、煮玉子も一流である。スープ割りも、ネギ、柚子を入れてもらって、very good !

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2017/11/14

蔭山 羅偉伝 田代こうじ

Img_0372Img_0375Img_0396 すでに知っているお店を訪ねたことになる。
左写真:高田馬場東側「鶏白湯麺 蔭山」鶏白湯醤油そば 9月25日 醤油味もいけるのはさすがである。塩味の方が定番だとは思うが。若い女性2人だけで切り盛りしていた。
中写真:高田馬場西側「羅偉伝」みそ 10月1日 まあまあではあるが……。
右写真:大久保公園「田代こうじ 最強軍団」ボタン海老の濃厚つけ麺 10月11日 大久保公園でのイベントである。このつけ麺は昨年に続き、最高にうまい!この濃厚さがいい。麺もおいしい。チャーシューは少し硬かった。スープ割りまで、丁寧に作ってある。田代こうじさんが張り切っていた。

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2017/11/10

LION ライオン 25年目のただいま

829 感動的で涙した作品だ。
 幼少時にインドで迷子になり、オーストラリアで育った青年が Google Earth を頼りに自分の家を捜す姿を追う。これは実話である。
 丁寧に作られているのに好感が持てる。
 家族というものを考えさせられる。養子というものの難しさ。養子同士のきょうだいは精神障害を持っている。
 実の兄は列車事故で若くして亡くなっていた……。

 迷子になるまでの子ども時代をかなり描いている。子役がいい。
 母親役のニコール・キッドマンもさすがである。

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2017/11/08

服従

828 ミシェル・ウェルベックの、2022年の仏大統領選挙をめぐる近未来小説である。(河出文庫)
ベストセラーになった。私は、全体的に興味深かった。
 特に後半の主人公フランソワがイスラム教に改宗するか、それとも国外脱出を図るかという、宗教的・精神的な緊張感のところは読みごたえがあった。
 これは、イスラム教対キリスト教、宗教対インテリ、服従対自由などの対立であり、ヨーロッパでは前者が勝ちそうな情勢にあるということを示唆している。これはそう単純でないことは当然だが、そうなりそうな不安感がヨーロッパにはありそうだということである。
 フランソワはそれなりに葛藤するが、最後は性や家庭、一夫多妻制などの魅力にころっと負けてしまった形になっている。このあっさり感、デレっとした感覚は妙にリアルであり、ちょっとゾッとする。女性軽視の思想がフランソワには最初から通底していたことにも気づく。
 19世紀末のデカダンス作家の代表・ユイスマンスとの対比は見事である。ユイスマンスは良き時代の個人的な改宗だったのかもしれないが。

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2017/10/30

ブレードランナー2049

827 ブレードランナーの世界は好きである。
 人造人間(レプリカント)とは、どのような存在なのか? いろいろ考えさせられる。
 映像は面白いのだが、ストーリーとしてはしっくりいかないところもあって、残念だ。


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2017/10/24

エルネスト

826 チェ・ゲバラは1959年に日本に来て、広島も訪問していたのだ。それゆえに、キューバ危機の際には、核の脅威を強く意識していたことだろう。
 1967年、39歳、ボリビアで亡くなった。1964年の東京オリンピック前後の話だ。日本ではあまり知られていなかった。私もよく知らなかった。
 このチェ・ゲバラから、同じ名前の「エルネスト」をもらった日系二世のフレディ・前村は25歳の若さでボリビア内戦により亡くなった。彼は理想を追い求める人、行動の人だった。思索だけの人ではなかった。
 オダギリジョーがスペイン語を含めて好演だ。阪本順治監督もよくぞこの題材を取り上げ、作ってくれたという感じである。

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2017/10/17

ナミヤ雑貨店の奇蹟

825 東野圭吾のベストセラーになった小説の方を読んだ。(角川文庫)
 映画を観た後にこの小説を読んだわけだが、なかなかによかった。
 単に時系列の話ではない。時間・時代が錯綜している。伏線を張り巡らせてあり、それらが最後の方で繋がっていく。さすがにうまい作りである。
 丸光園という児童養護施設とナミヤ雑貨店の店主・浪矢雄治とはやはり縁があった……。それが奇蹟の源になっている。

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2017/10/14

ドリーム

824 実話の強さがある。
 あの時代、カラード(黒人等)と女性に対する差別はひどかった。それに負けないすごさ!
 感動ものだ!
 3人の協力は見事なものである。

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2017/10/13

「死ぬ瞬間」と死後の生 ③

823 心に止めておきたい言葉はたくさんある。
*「救う」と「助ける」:助けることこそ真に人間のすべきことではないでしょうか。
*救いの手を出さずに、相手が自分で学ぶのを優しく見守ることです。愛とは、いつ補助輪をつけてやったらいいか、いつ外したらいいかを知ることです。それが愛です。補助輪を外すのはつけるよりもはるかにむずかしいです。でも結局は外さなくてはならないのです。
*学ぶべきことはいずれにせよ何らかの形で学ばなければならないということ、そして、学ばなければならない理由はあなた自身にあるということです。

(以下はこの本の解説にあたるようなところの文章です。)
〇E・キューブラー・ロスは、死とその過程という問題から離れて、命と生きることの方へと重心を移しつつあり、そういう自分の心の経過をいっそう深く見つめようとしていた。
〇E・キューブラー・ロスの仕事を、医学の変革だと言う人もあれば、新たなかたちの宗教だと言う人もいますが、どちらにしても、彼女はいつまでもこの世界に光を投げかけつづけることでしょう。
〇本書の最初の講演は1976年、最後は88年だが、その間に、彼女の心境には大きな変化があったため、本書の前半と後半とではずいぶんトーンが異なる。彼女を変えたもの、それは神秘体験、とくに臨死体験である。したがって、前半では死に至る過程が、後半では死後の生が語られているといっていい。

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2017/10/12

「死ぬ瞬間」と死後の生 ②

822 キューブラー・ロスは、生、死、死後の生について語っていく。
*この光は、物理的エネルギーや心的エネルギーではなく、霊的エネルギーの源です。人間にはこの霊的エネルギーを使うことも操作することもできません。それは、マイナスの感情がひとかけらもない存在領域のエネルギーなのです。つまり、現世にいたときに私たちがどんなに悪く、どんなに大きな罪悪感を抱いていようと、その世界にはマイナスの感情はいっさいないのです。しかも、「キリスト」とか「神」と呼ばれるこの光に裁かれることも絶対にありません。なぜなら、それは絶対的・全体的な無条件の愛なのですから。
*本来の自分とは、肉体、感情、知性、霊の四つの調和のとれた人間であり、本当の愛は要求もしないし、「もし……ならば」とも言わないということを知っている人間です。
*自分の一つひとつの選択に自分が責任をもつこと、必要なのはたったそれだけです。
*私は「死とその過程」の専門家ではありません。できれば50年後には「生と生きていること」の専門家と呼ばれたいと願っています!なぜなら、正しく生きた人にとっては、死は怖いものではありません。それどころか、死は最大の喜びであるはずです。私たちは死ぬことを心配するよりも、今日何をなすべきかを心配すべきです。もしあなたが今日、行動ばかりでなく、思考においても言葉においても、最高の選択をすれば、死の瞬間は祝福に満ちた輝かしいものとなるのです。

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2017/10/11

「死ぬ瞬間」と死後の生 ①

821 E・キューブラー・ロスは偉大な仕事をした。この本を読むと、彼女は講演の名手でもあったことが分かる。。
 いつかこの本で読書会を開きたいが、そのためにも印象に残ったところを記しておく。

*問題は「私はその人に、死が迫っていることを告げるべきだろうか」ではなく、「私には彼の声が聞こえるだろうか」です。
*「あなたは私に何かを言おうとしているのね。でも私にはそれが何だかよくわからない。もう1回言ってちょうだい。」「わからないから、説明してちょうだい。」
*もし子どもに本当のことを話してもらいたかったら、見当ちがいのことを言えばいいのです。そのうちに子どもはこちらのばかげた質問に飽き飽きして、本当のことを言ってくれます。
*子どものいちばん素晴らしい点は、こちらが何かへまをやると、すぐにそれに反応することです。
*子どもたちがやり残した仕事をやりとげるのを手伝うのです。
*「ロス先生、あとひとつ聞きたいことがあるの。生きるって何?死ぬってどういうこと。それからどうして小さな子どもが死ななくちゃいけないの。ダギーより。」

*人はみんな四つの部分からできています。肉体的な部分、感情的な部分、知的な部分、そして霊的・直観的な部分です。
*(ずっと重要な問題は)自分の愛している人に向かってはっきりと「ノー」と言う勇気です。

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2017/10/09

リヴァイアサン

820 『リヴァイアサン』ポール・オースター著 柴田元幸訳 新潮文庫 である。
 自由というものを考えるきっかけにする。
 偶然が多い。それが人生というものかもしれないが…。


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2017/09/27

えぞ菊 GOSSOU 悠

B33441134a064af1b0a82ca27919268f4e3be48342f649df8711841a63343c888d5dbd347e084f0a8478134400d99b55 休みの月曜日に食べに行っている。
左写真:西早稲田「えぞ菊 戸塚店」味噌 9月4日 懐かしい味、馴染みの味、好きな味である。あのボリュームも健在。昼は玉子付きサービス。うれしいなぁ。
中写真:早稲田「RAMEN GOSSOU」しょうゆラーメン 9月11日 豚、魚、野菜がミックスされた、とろみのあるおいしいスープ。のり3枚は豪華。完食。他の種類のラーメンも食べてみたくなる。一番最初に行ったから、店主が気さくに話しかけてくれた。頑張っている店主だ!
右写真:神田「神田らぁめん 悠」ざるらぁめん 9月18日 あっさり系のつけ汁がとても気に入った。七味唐辛子が最初から入っている。私は好きな方である。麺がおいしかった。細かく切ったチャーシューは柔らかくおいしい。メンマもいい。スープ割りもよかった。

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2017/09/26

びぎ屋 和正 ふうふう亭

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さまざまなきっかけで予定外のラーメン店を訪問して、おいしいラーメンに出会える喜び、いいねぇ。
左写真:学芸大学「びぎ屋」醤油らーめん・半熟味付玉子入り 8月12日 久しぶりに訪問。やはりうまい!完成されたきれいなラーメンだ。スープ単独では少ししょっぱいが、完食してしまった。好きなラーメンである。
中写真:三軒茶屋「和正」中華麺・味玉 8月27日 スープがおいしい。麺もうまい。行列店である。店主2人(夫婦?)のコンビネーションがいい。接客がいい。
右写真:神楽坂「ふうふう亭」芳醇鶏そば・塩 8月28日 透き通ったスープのきれいな塩ラーメン。私の理想的な塩ラーメンの形である。かなり前に来た時より、数段と洗練されていた。鶏チャーシューもしつこくなくいい。当然完食!人に薦めたい塩ラーメンである。

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2017/09/25

ナミヤ雑貨店の奇蹟

819 これは丸光園という児童養護施設をめぐる物語である。
 時空を超えてのつながりがそこにある。
 自己犠牲の話には感動する。
 人生相談というものを考えてしまう。

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2017/09/20

サピエンス全史 ⑤

818 いよいよこの本の最終段階である、人類の「文明」と「幸福」の問題に入っていく。
【第4部】科学革命(さらに続き)
*幸福はむしろ、客観的な条件と主観的な期待との相関関係によって決まる。
*預言者や詩人や哲学者は何千年も前に、持てるものに満足するほうが、欲しいものをより多く手に入れるよりもはるかに重要なことを見抜いていた。
*人間の幸福度調節システムの設定も一人ひとり異なる。
*幸せであるかどうかはむしろ、ある人の人生全体が有意義で価値があるものと見なせるかどうかにかかっている。

*ブッダが教え諭したのは、外部の成果の追求のみならず、内なる感情の追求もやめることだった。
*主観的厚生を計測する質問表では、私たちの幸福は主観的感情と同一視され、幸せの追求は特定の感情状態の追求と見なされる。対照的に、仏教をはじめとする多くの伝統的な哲学や宗教では、幸せへのカギは真の自分を知る、すなわち自分が本当は何者なのか、あるいは何であるのかを理解することだとされている。
*ひょっとすると、期待が満たされるかどうかや、快い感情を味わえるかどうかは、たいして重要ではないのかもしれない。最大の問題は、自分の真の姿を見抜けるかどうかだ。

*知的設計は以下の3つのどの形でも自然選択に取って代わりうる。①生物工学 ②サイボーグ工学 ③非有機的生命工学(ロボットなど)
*歴史の次の段階には、テクノロジーや組織の変化だけではなく、人間の意識とアイデンティティの根本的な変化も含まれる可能性がある。

*私たちは仲間の動物たちや周囲の生態系を悲惨な目に遭わせ、自分自身の快適さや楽しみ以外はほとんど追い求めないが、それでもけっして満足できずにいる。自分が何を望んでいるかもわからない、不満で無責任な神々ほど危険なものがあるだろうか?

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2017/09/19

サピエンス全史 ④

817 【第4部】科学革命(続き)
*資本主義と消費主義の価値体系は表裏一体であり、二つの戒律が合わさったものだ。富める者の至高の戒律は「投資せよ!」であり、それ以外の人々の至高の戒律は「買え!」だ。……これは信奉者が求められたことを実際にやっている、史上最強の宗教だ。

*生態系の悪化は、資源不足とは違う。……逆に、生態系悪化の懸念については、十分すぎるほどの確かな根拠がある。
*家族は(かつて)、福祉制度であり、医療制度であり、教育制度であり、建設業界であり、労働組合であり、年金基金であり、保険会社であり、ラジオ・テレビ・新聞であり、銀行であり、警察でさえあった。
*国家と市場は人々に「個人になるのだ」と提唱した。
*国家と市場は、経済的役割と政治的役割の大半を家族から取り上げたものの、感情面での重要な役割の一部には手をつけなかった。近代に入っても、家族には相変わらず、きわめて私的な欲求を満たすことが期待されていた。
*最も保守的な政党でさえも、たんに現状維持を誓うことはない。誰も彼もが社会改革や教育改革、経済改革を約束する。
*平和が広まった理由 ①戦争の代償が大きくなった。②戦争で得られる利益は減少した。 ③平和からはこれまでにないほどの利益が挙がるようになった。④現代は史上初めて、平和を愛するエリート層が世界を治める時代となった。
*大半の国々が全面戦争を起こさないのはひとえに、もはや単独では国として成り立ちえないという単純な理由による。

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2017/09/18

サピエンス全史 ③

815 7万年前に「認知革命」、1万2千年前に「農業革命」を経て、500年前に「科学革命」がホモサピエンスに起きた。科学革命からいよいよ近現代に繋がっていく。

【第4部】科学革命
*近代の文化は以前のどの文化よりも、無知を進んで受け入れる程度がはるかに大きい。近代の社会秩序がまとまりを保てるのは、一つには、テクノロジーと科学研究の方法とに対する、ほとんど宗教的なまでの信奉が普及しているからである。
*私たちの文化の他のあらゆる部分と同様、科学も経済的、政治的、宗教的関心によって形作られている。
*科学には未来に何が起こるべきかを知る資格はない。宗教とイデオロギーだけが、そのような疑問に答えようとする。
*科学研究は宗教やイデオロギーと提携した場合にのみ栄えることができる。

*ヨーロッパ人は、テクノロジー上の著しい優位性を享受する以前でさえ、科学的な方法や資本主義的な方法で考えたり行動したりしていた。
*ヨーロッパの帝国主義者は、新たな領土とともに新たな知識を獲得することを望み、遠く離れた土地を目指して海へ乗り出していった。
*近代のヨーロッパ人にとって、帝国建設は科学的な事業であり、科学の学問領域の確立は帝国の事業だった。
*諸帝国が積み上げた新しい知識によって、少なくとも理論上は、征服された諸民族への援助が可能になり、「進歩」の恩恵を与えられるようになった。

*強欲は善であり、個人がより裕福になることは当の本人だけでなく、他の全員のためになる。利己主義はすなわち利他主義である。
*近代の経済:将来を信頼する⇒信用が盛んに発生する⇒経済成長が速い⇒将来を信頼する⇒………
*生産利益は生産増加のために再投資されなくてはならない。

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2017/09/17

サピエンス全史 ②

816 著者ユヴァル・ノア・ハラリさん(写真)の博学ぶりには当然驚嘆するが、何よりも魅力的なのはサピエンス史全体に対する大胆で鳥瞰的な視点である。

【第3部】人類の統一
*宗教は特定のものを信じるように求めるが、貨幣は他の人々が特定のものを信じていることを信じるように求める。
*貨幣は人類の寛容性の極みである。貨幣は言語や国家の法律、文化の規準、宗教的信仰、社会習慣よりも心が広い。貨幣は人間が生み出した信頼制度のうち、ほぼどんな文化の間の溝をも埋め、宗教や性別、人種、年齢、性的志向に基づいて差別することのない唯一のものだ。貨幣のおかげで、見ず知らずで信頼し合っていない人どうしでも、効果的に協力できる。
*人々は貨幣に頼って、見知らぬ人との協力を促進するが、同時に、貨幣が人間の価値や親密な関係を損なうことを恐れている。

*帝国のイデオロギーは、包括的・網羅的傾向を持っていた。このイデオロギーは、支配者と被支配者の人種的違いや文化的違いを強調することも多かったが、それでも全世界の基本的な統一性や、あらゆる場所と時代を支配する一揃いの原理の存在、互いに対する万人の責任を認めていた。人類は一つの大家族と見なされる。親の特権は子供の福祉に対する責任と切っても切り離せない。

*農業革命の最初の宗教的結果として、動植物は霊的な円卓を囲む対等のメンバーから資産に格下げされた。
*一神教は秩序を説明できるが、悪に当惑してしまう。二元論は悪を説明できるが、秩序に悩んでしまう。
*平均的なキリスト教徒は一神教の絶対神を信じているが、二元論的な悪魔や、多神論的な聖人たち、アニミズム的な死者の霊も信じている。
*ゴータマ:心が何か快いもの、あるいは不快なものを経験したときに、物事をただあるがままに理解すれば、もはや苦しみはなくなる。
*人間至上主義の宗教(人間性を崇拝する宗教):サピエンスは他のあらゆる生き物や現象の性質とは根本的に異なる、独特で神聖な性質を持っている。至高の善は人間性の善だ。「自由主義的な人間至上主義」「社会主義的な人間至上主義」「進化論的な人間至上主義」がある。

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2017/09/14

サピエンス全史 ①

814 世界的にベストセラーになった本である。『サピエンス全史』(文明の構造と人類の幸福)ユヴァル・ノア・ハラリ著・柴田裕之訳
 各部ごとに印象に残ったところを書き抜いておく。

【第1部】認知革命
*虚構、すなわち架空の事物について語るこの能力こそが、サピエンスの言語の特徴として異彩を放っている。
*サピエンスは、無数の赤の他人と著しく柔軟な形で協力できる。
*サピエンスは、狩猟採集時代(農業革命以前)に、地球の大型動物のおよそ半数を絶滅に追い込んだ。

【第2部】農業革命
*農業革命は、人口爆発と飽食のエリート層の誕生につながった。平均的な農耕民は、平均的な狩猟採集民よりも苦労して働いたのに、見返りに得られる食べ物は劣っていた。農業革命は史上最大の詐欺だった。
*人類は、大規模な協力ネットワークを維持するのに必要な生物学的本能を欠いているのに、自らをどう組織してそのようなネットワークを形成したのか。手短に答えれば、人類は想像上の秩序を生み出し、書記体系を考案することによってである。
*実際には、「自然な」と「不自然な」という私たちの概念は、生物学からではなくキリスト教神学に由来する。

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2017/09/12

三月の5日間

813 「わたしたちに許された特別な時間の終わり」に所収されている作品である。(岡田利規著、新潮文庫)
 私にとっては既視感を覚えた作品である。そのあたりが私には面白い作品だった。
 一つは、私もある程度知っている渋谷の街が作品の舞台だということ。
 二つ目は、西麻布のスーパーデラックスでのパフォーマンスが哲学カフェを思い起こさせてくれたこと。
 三つ目は、渋谷のラブホテルでの4泊5日のことが、私自身が経験した4泊5日のエンカウンター・グループ合宿を思い出させてくれたこと。

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2017/09/07

幼き子われらに生まれ

812 浅野忠信がいい。
 家族って何だろうと考えさせられる。
 複雑な家族関係である。私とはあまりに異なるため共感しにくいところがある。

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2017/08/21

5人会(平成29年8月)

811 今回、私は「財産と贅沢」について考えた。
 私にとっての財産は当然お金というものが挙げられるが、お金はある程度あればそれでいい。今は私にとって重要なのは身体的な健康である。これも完璧は望めない。一定程度の健康でよしとしなければならない年代であろう。
 お金と健康はある意味手段である。好きなことをやるための手段(財産、資源)である。好きなことが大切であり、生きがいにもなる。
 まずは好きな人との関係(家族、友人、職場関係など)がある。また、好きなこと、好きなもの(いわゆる趣味)も生きがいにつながる。これが贅沢である。
 もちろん、好きなことをやるためには、ある程度の我慢も必要である。

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2017/08/13

キングスマン

810 予想していた以上に、私の肌に合わないアクション映画だった。

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2017/08/12

君の膵臓をたべたい

809 原作は読んでいた。
 原作にプラスしたストーリー。大人になった現在をかなり描いている。それだけの配役もしている。これはそれなりに成功している。
 
 余命は少ない。突然の事件・事故もありえる。高齢者にも通ずる話か…。


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2017/08/11

麺魚 GAGANA キング軒

43f6788161b441dfa449deae0dc6c114Da691273f24c4418bd7b422f2d2fc58bImg_0118 有名店などを訪ねてみた。
左写真:錦糸町「真鯛らーめん 麺魚」真鯛らーめん・雑炊セット 7月19日 さすがの有名行列店。真鯛スープはおいしい。麺もコシがある。雑炊にしたら絶品。当然、完食である。
中写真:池袋「GAGANA RAMEN」和牛炙りホルモンつけ麺 7月21日 おいしくて、おもしろいつけ麺だった。スープ割りもGood!(このお店で白鵬の1048勝目を見た!)
右写真:大門・芝公園「汁なし担担麺専門店 キング軒東京店」汁なし担担麺 7月23日 私は花椒のシビレは苦手なのを再認識した。

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2017/08/10

ばりこて なな蓮 ぬかじ

663c5ab5382f48b7abd158f929f8622e430a59462bde434997fb58f948d479faAd90ff01516b4a7595653567a5d92a96 今まで気になっていたお店を訪問した。
左写真:高田馬場さかえ通り「ばりこて 高田馬場店」博多ラーメン 7月9日 スープが甘ったるくなくてよかった。固めの麺もおいしかった。
中写真:神田「神田とりそば なな蓮」鴨の濃い出汁そば 7月12日 これはおいしい!きれいに洗練され、完成されたラーメンだ。少し濃い目のスープなのだが、完食!玉ねぎも効果を高めている。当然、無化調だ。丹念に作られている。
右写真:渋谷「麺屋 ぬかじ」鰹だし肉冷やし麺 7月15日 今まで食べたことのない新しい食感だった。暑い季節にはふさわしい。

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2017/08/09

ハルク ムタヒロ こころ

6906af626968481ba5ce989a7d4211e5D4307efe78bd4aff9ce3e6f0841fe3b1F17bde378e0a416cb2a4e51b8fcd4e50 場所的に立ち寄りやすい所へ行った感がある。
左写真:高田馬場東側「青唐爽麺 ハルク」青唐そば 6月7日 小辛なのに、私にはものすごく辛く感じられて、汗タラタラであった。赤くない青唐辛子である。すっきり感はある。
中写真:西国分寺「味噌中華そば ムタヒロ」味玉味噌中華そば 6月18日 時々食べたくなる味噌ラーメンである。今日もおいしかった!麺がスープとよく合う。スープ自体がおいしくて、飲み干してしまう。味噌ラーメンとしては珍しいことである。
右写真:西早稲田「麺屋 こころ」ど肉入りまぜそば 6月28日 久しぶりに食べておいしい!辛さは調節できる。お酢を入れて、まろやかにもできる。追い飯もうまい!お客に学生が多く、活気があるお店だ。

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2017/08/07

今夜、すべてのバーで

808 アルコールにとりつかれた主人公・小島容(作者・中島らもの相似形)は面白い人物だと思うが、私としてはあまり付き合いたくない人種である。(講談社文庫)
 改めて思うに、アルコールなどに強く依存するって、人間の性(さが)、特に人間の弱いところを見せられて、とても悲しい気持ちになる。

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2017/08/03

SING

807 面白い!楽しい!最高だ!
 SONG、歌の力ってすごいなぁ。
 動物キャラは多彩で楽しい。

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2017/07/24

騎士団長殺し

806 村上春樹の新作、第1部 顕れるイデア編、第2部 遷ろうメタファー編 をやっと読み終えた。(新潮社)
 イデアとメタファー、謎が謎を呼ぶ。そこが面白いのだが、終わらない、片付かない。村上春樹だから許されるところって、ありそうだ。うまいんだよね。
 『ねじまき鳥クロニクル』に繋がるものは感じる。

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2017/07/18

白痴

805 坂口安吾の1946年(昭和21年)に書かれたということで、とても意義のある作品である。(新潮文庫)
 その少し前に書かれた『堕落論』と併せて読む作品とも言える。
 国家によって作られた理想・理念など、虚しい美しさである。人間の本能・本性にまで堕落せよ、生きよ。そこから自らの理想・理念が生まれてくる。
 これは今にも通ずる。だから私は共感する。

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2017/07/13

22年目の告白~私が殺人犯です~

804 韓国映画「殺人の告白」を下敷きにしているせいか、ストーリー・脚本がしっかりしていて、面白い。
 2つの怖さが背景にある。
 メディアの怖さ、マスコミもSNSも。それと戦争の怖さ。どちらも描かれている。だから話に重みを感じる。

 だけど、サスペンスというのはそれなりの登場人物の中に真犯人がいる。その方が観客・読者は頭をあまり使わなくて楽だし、納得もしやすい。
 現実社会では、登場人物を限定できないからこそ、非常に難しいのだが……。

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2017/07/11

哲学のすすめ②

803 宗教ではない、科学ではない、哲学を素直に大事にしたい、すすめたい。哲学が好きな私もそう思う。 (写真は著者の岩崎武雄さん)

*学問の客観性とは、すべての人が承認すべき根拠をもっているということに外なりません。
*哲学は時代とともに変化しているのです。そしてこの変化は、人間が哲学に対して客観性を与えようとしたその努力の結果なのではないでしょうか。
*人間が自分の認識能力が有限的なものであるということを知ることによって、自然科学が成立したといえるのではないでしょうか。
*基本的人権は、けっして人間が事実としてもっているものではありません。それは、人間の生命の絶対性(かけがえのない人間の生命)を認めるという価値判断の基礎の上に、はじめて成り立つものです。そうすれば、人権の主張は同時に他人の人権を重んずるという義務を伴うはすです。

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2017/07/10

哲学のすすめ①

802 1966年発行だから、もう50年以上読み継がれている。東大名誉教授だった岩崎武雄さんの名著である。(講談社現代新書の66番である。)
 岩崎さんの哲学を信じ、力強く哲学をすすめるこの熱い思い、これが伝わってくる。この素朴さは尊い!?(それでは今はいったい何なんだ!)

*哲学は「驚き」にではなく、もっと深く「生きる」ということに根ざしているのです。「生きる」ための必要上、哲学はどうしてもて生じてこなければならないのです。
*「原理的な価値判断」と、「具体的な事物についての価値判断」の、この2種類の価値判断の区別は、はっきりさせておかなければなりません。
*わたくしはむしろ、「幸福」をなんと考えるかということが、その人の哲学によってきまるのだと思うのです。
*生き方の相違は、その人がなにを幸福と考えるかによって異なってくるといえるのではないでしょうか。人間が常に幸福を求めるものであるとすれば、人間の生き方の相違は、幸福をなんと考えるかによって生じてくると考える外はないからです。

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2017/07/09

対話と人間関係

14 第59回人生カフェは平成29年7月8日(土)、13名(男性4名、女性9名)の参加によって実施された。
 今回は岩崎博明さんが進行役(ファシリテーター)だった。机を使わず、全員が椅子に輪になって座り、コミュニティボールを使いながら対話をした。今回は途中2回の休憩を挟みながら、最初から最後まで、このスタイルで実施した。
 テーマは「対話と人間関係」であった。

 まずは、「対話」と「会話」の違い、また、「おしゃべり」との違い、さらに「議論」との違いなどが話し合われた。
 対話とは、哲学カフェなどでよく使われる言葉ということからして、主に理性を使って、ひとつのテーマについて、考えや価値観が異なる者同士が集まって話をするというイメージがある。これと対比すると、会話は、感情面も多く含まれ、特に明確なテーマもなく(話題は絶えず変化していく)、どちらかというと同じようなタイプの者が集まって話をするというイメージがある。
 対話とは、哲学カフェでの意味合いも超えて捉えると、お互いが言葉を通して理解し合うことであるとも言える。
 それで、そのような対話は人間関係とどのような関係にあるだろうか?一般に対話は人間関係を良くしていくというように考えられていると思われるが、果たしてそうだろうか?
 お互いを理解しようと努力していくのだから、対話というのは人間関係を悪くしていくようには思われないが、必ずしも人間関係を濃く、太く、良くしていくとは限らないのではないか。
 相手を理解していくことによって、相手とのパーソナル・スペースや相手との境界線(バウンダリー)がよく見えてくる。これによって、人間関係が促進されることもあれば、逆に、相手と距離を置いたり、場合によっては相手との関係を断つこともある。

 対話は、1対1のような関係の場合もあれば、1対多のような関係の場合(一般の哲学カフェがそうである)もある。これを同じように対話と捉える意義は何だろうか。
 どうもポイントは自分の方にありそうである。自分の心の開き具合(オープン度)、自分の他者への見方や姿勢、自分に対する捉え方の変化などが対話の質を変えていく。それは大きく捉えれば、自分対他者の関係であり、あとは他者の方の数が1,2,3、…と変化していくだけともいえる。(もちろん、他人も生身の人間であり、それぞれ個性があるのは当然ではあるが)

 最後に、参加者各自から、気づいたことや新たな問い、感想などを発表してもらって、閉会した。

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2017/07/05

あなたの人生が変わる対話術④

801 この本で泉谷さんが最も言いたかったところにあたる最終章は、「第5章 対話するという生き方」である。

*他人は自分の一部分や道具や対象ではない。(これはマルティン・ブーバー(写真)も言っていることである。)
*他者の孤独と独立性を尊重する態度から生まれるのが愛である。愛とは、「相手が相手らしく幸せになることを喜ぶ気持ち」と定義できる。
*愛が「孤独」を前提にしているのに対して、欲望は「依存」をベースにしている。
*人は「愛すること」しかできないのであって、相手から愛されるかどうかは、相手という独立した「他者」が自由に決めることである。
*「他者」は独立している。「他者」は何かを強要されることを嫌う。「他者」は、ひたすらに耳を傾けてもらうこと、つまり「聴いてもらうこと」によって、自発的なものを表出してくる。
*「対話」する生き方とは、すなわち、「他者」との真の「経験」を求めて、愛に生きることを選ぶ生き方にほかならない。

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2017/07/04

あなたの人生が変わる対話術③

Images148 著者の泉谷さんの人間に対する見方は図のようである。これらを踏まえて、第4章「「ムラ的」コミュニケーションから「対話」へ」も書かれている。

*言葉というものは、人によって多種多様な考え方がありうるということを前提にして存在している。つまり、言葉は「対話」のために存在している。
*「ロゴス」としての言葉とは、その人が理性を働かせて、なんらかの意見を「他者」に向かって差し出すものだと言える。そして、その言葉は重みをもっていると同時に、かならずしも「普遍的真理」を述べているわけではないという、ある種の謙虚さをあわせ持ったものである。
*「二人称関係」の世界に棲んでいる人が用いるモノローグという「鳴き声としての言葉」と、「他者」とのコミュニケーションや共同思考を必要と考え「対話」(ダイアローグ)する人の「ロゴスとしての言葉」とは、その重みも用途も異なっているまったくの別物である。

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2017/07/03

あなたの人生が変わる対話術②

800 著者の泉谷閑示さん(写真)は精神科医である。
 職業(プロ)として、お金をもらって、患者さんの治療にあたっている。必要な訓練を受け、経験も豊富である。治療環境も整備されている。その上で、人の話を聴くことに重点を置いている。
 そういうことでいえば、我々のような一般人(素人)とは異なる面も多い。しかし、泉谷さんが第2章「対話の技法」で述べていることは我々にも示唆に富む内容である。

*「理解」と「同意」を切り分ける。
*人は日々刻々と変化する存在である。
*意図が見える質問は伝わりやすい。
*アドバイスが相手を弱くする。

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2017/07/02

あなたの人生が変わる対話術①

799 精神科医である泉谷閑示さんの本で、哲学カフェ・哲学対話における対話を考えていく上で、とても参考になった。(講談社+α文庫)
 第1章は「対話とは何か」である。
*dialog(ue)はギリシア語を語源としたもので、「言葉(理性、論理)を介して(通して)」といった意味である。
*4つの前提
①相手を「他者」として見ることから「対話」は始まる。
②対話は、「他者」を知りたいと思うことから始まる。
③対話は、お互いが変化することを目標とする。
④対話において、話し手と聴き手に上下関係はない。

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